
米国のドナルド・トランプ大統領がイランの核脅威を連日強調する中、核物質を直接確保するか、現地で破壊する超高リスクの軍事作戦を検討していると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が17日(現地時間)に報じた。
トランプ大統領は、イランが核兵器開発の目前にあると繰り返し主張し、「彼らは1時間後、あるいは1日後にもそれを使うだろう」と述べた。さらに、イランが核兵器を保有すれば、まずイスラエルを攻撃し、その後は米国を狙うとの見方も示した。
NYTは、トランプ大統領がイラン中部イスファハン近郊の山岳地帯にある地下施設に保管されているとみられる核物質を標的にした作戦を検討している可能性があると伝えた。
この作戦は、核物質を確保するか、その場で破壊することを目的とするもので、実行に移されれば、現代の米軍作戦の中でも最も危険な試みの一つになるとみられている。
専門家の間では、この作戦は2011年のウサマ・ビンラディン容疑者殺害作戦より、はるかに複雑で危険だとの懸念が強い。核物質を保管する容器が損傷すれば放射性ガスが漏れ出す恐れがあり、核物質同士の間隔が狭まった場合には連鎖反応が起きる可能性も否定できないためだ。
米国のマルコ・ルビオ国務長官もこれに先立ち議会で、この任務は特殊部隊が現地に直接突入し、対象を確保してはじめて成功し得る作戦だと述べていた。これに対し、トランプ大統領は地上作戦への懸念を退け、「私は何も恐れていない」と語った。
トランプ大統領は、イランが短期間で核兵器を製造できると主張しているものの、専門家は実際の兵器化には数か月から最長で1年ほどかかるとみている。
実際、開戦直前まで米情報当局は、イランが核兵器開発に直ちに踏み切る可能性は低いと判断していた。米国家テロ対策センター(NCTC)のジョー・ケント所長は同日、辞意を表明したうえで、「イランは米国に差し迫った脅威を与えていなかった」と強調した。
ただ、その後は米国とイスラエルによる空爆が続き、情勢は大きく変わった。約18日間にわたる爆撃でイランの通常戦力が大きく弱まり、核物質は事実上、同国に残された最後の抑止手段として浮上しているとの見方が出ている。
カーネギー国際平和財団のジョージ・パーコビッチ氏は、「イランにとって今ほど核物質が切実な意味を持つ局面はない」と指摘したうえで、米国による奪取や破壊の試みに備え、偽装用コンテナを大量に用意するなど、周到な防御策を講じている可能性が高いと分析した。
『21世紀の核脅威評価』の著者でもあるパーコビッチ氏は、「イランはイスラエルと米国が核物質の破壊や奪取を狙っていることを理解している」としたうえで、特殊部隊が現場に到着した際、20個程度ではなく、数百、数千個のコンテナが並んでいても不思議ではないとの見方を示した。
さらに、イランは核物質の確保を阻もうとするあらゆる試みに対し、使える手段を総動員して妨害してくるだろうと見通した。
核物質の所在についても不確実性は大きい。相当量がイスファハンに集中しているとみられる一方、一部はフォルドゥやナタンズなど別の施設、あるいは山岳トンネルへ分散されている可能性も指摘されている。
一方で、軍事的手段だけでなく、外交的な解決策を再び模索すべきだとの声も出ている。開戦直前、イランは国際原子力機関(IAEA)の監視下で核物質を低濃縮の状態に希釈したうえで国内保管する案を示したが、米国側はこれを受け入れなかった。
専門家は、今後の停戦交渉で核物質の扱いが最大の争点に浮上する可能性が高いとみている。ただ、現時点で関連協議が本格化している兆候は見えておらず、明確な出口戦略も示されていないと分析している。














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