
中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー供給不安の拡大を背景に、フィリピン政府は「国家エネルギー非常事態」を宣言した。
26日付の日本経済新聞などによると、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は前日、「燃料供給の逼迫が懸念される中、国内のエネルギー需要を維持するために必要な石油製品の供給や輸送に支障が生じる可能性がある」として、国家エネルギー非常事態を宣言する大統領令に署名したという。
これを受け政府は、燃料に加え、食料品や医薬品、農産物など生活必需品の安定供給を確保するため、総合的な対策を講じる方針だ。公共交通機関や医療サービスの維持に向けた措置も検討されているが、現時点で国民生活を直接制限する措置は含まれていないとしている。
非常事態の期間は1年間とされ、状況に応じて延長も可能としている。フィリピン政府は中東への依存度を引き下げるため、ロシアなど主要産油国との原油調達に関する協議を続けている。
マルコス大統領は、燃料不足が深刻化した場合、航空便の運航停止の可能性も否定しなかった。ブルームバーグのインタビューでは、「そうした事態が起きないことを願うが、十分に起こり得る」との認識を示した。
一方、フィリピンは原油輸入の9割以上を中東に依存している。こうした中、先月28日に米国とイスラエルによる空爆を受け、イランがホルムズ海峡の封鎖に踏み切ったことで、ガソリンや軽油の価格が急騰した。フィリピンのエネルギー省によると、国内の石油備蓄は現在、およそ45日分にとどまっているという。













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