
米国のトランプ政権は、対イラン戦争への協力に消極的だった北大西洋条約機構(NATO)との同盟関係を見直す考えを示した。さらに、湾岸アラブ諸国に戦費負担を求める案も浮上しており、交渉と戦線拡大の岐路に立つなか、早くも各国に「戦争の請求書」を突き付ける構図となっている。
米国のマルコ・ルビオ国務長官は30日(現地時間)、アルジャジーラのインタビューで、イランとの戦争中に一部加盟国が米軍による基地使用を拒んだことなどを例に挙げ、同盟は相互利益にかなうものでなければならず、一方通行であってはならないと述べた。そのうえで、こうした問題をすべて改めて見直す必要があると強調した。
ルビオ長官は、NATOが米国にとって有益な理由の一つとして、有事の際に兵力や航空機を展開できる駐留権を挙げた。ところが、米国が防衛を約束しているスペインのような国が領空使用を拒み、その対応を誇るような姿勢まで見せたと批判した。
さらに、欧州が攻撃された時だけ米国が防衛し、米国が必要とする局面では駐留権を認めないのであれば、それは米国にとって良い取り決めとは言えないと指摘した。欧州防衛だけを引き受け、必要な時に権利を拒まれる状況で、NATOへの関与が米国にとって利益だとは言い難いとの認識も示している。
核問題については、イラン政権は核兵器開発への野心を放棄すべきだとの立場を改めて示した。ルビオ長官は、イランに決して認められないのは原子力を短期間で兵器化できる体制だと述べ、すべての核兵器開発計画と核への野心を捨てるよう求めた。加えて、核エネルギーの利用を望むのであれば、国際的に検証された燃料輸入方式だけが認められると付け加えた。
ホルムズ海峡を巡っては、イランが統制権を主張することは米国だけでなく国際社会全体にとって容認できないと非難した。国家が国際水路を占拠し、自国のものだと主張できる前例を残すことになるためだとも語り、ホルムズ海峡の通航は何としても確保されるとの見方を示した。通航が妨げられれば、イランは米国や他国から実質的な代償を払うことになるとも警告した。
また、イラン国内には従来の指導部とは異なる形で米国との対話を模索する人々がいるとも述べた。これは、トランプ大統領が事実上、イラン政権はすでに交代したとの見方を示した発言と重なる。
一方、ABCのインタビューでは、地上軍投入の可能性について明言を避けたうえで、大統領には複数の選択肢があり、国防総省もさまざまな事態に備えた案を準備していると明らかにした。米国と接触しているイラン側の人物については、氏名を明かせば国内の他勢力との摩擦を招く恐れが大きいと説明し、イラン内部では分裂が起きていると主張した。
米国が始めたイランとの戦争の費用をアラブ諸国に分担させる案も取り沙汰されている。ホワイトハウス報道官のキャロライン・レビット氏は同日の記者会見で、湾岸戦争当時にサウジアラビアやクウェートなどが戦費の一部を負担した前例が今回にも当てはまるのかと問われ、トランプ大統領は各国にそう求めることへ強い関心を持つだろうと答えた。
レビット氏は、自分は大統領に先回りしたくないとしながらも、それは大統領が持っている考えの一つだと説明し、今後さらに発言があるとの見通しを示した。米国が今回の戦争でイランの軍事力を大きく削いだ以上、安全保障上の利益を受けるアラブ諸国も費用を分担すべきだという認識がにじむ。
フィナンシャル・タイムズはこれについて、湾岸諸国の指導者が経済的打撃の大半を背負い込むことを懸念して反対したにもかかわらず、米国はイランとの紛争に踏み切ったと指摘した。さらに、これらの国々はイランの報復攻撃によって、それぞれ数百万ドルの収益損失と施設被害を受けたとみられると伝えている。













コメント0