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「やっと気づいたのか」イランの一撃で米軍の”致命的盲点”が明るみに、戦い方が一変

竹内智子 アクセス  

引用:X(旧Twitter)
引用:X(旧Twitter)

イランによるドローンやミサイル攻撃が続く中、米国は中東の基地防衛の考え方を見直しつつある。パトリオットやTHAADミサイルなどの迎撃網だけでは防御に限界があることが明らかとなり、米軍は兵力や航空機を保護するためのバンカーや強化防護施設の整備に軸足を移し始めた。

米軍事専門メディアのウォーゾーン(TWZ)は先月31日(現地時間)、米国防総省が中東の米軍基地防護に向け、バンカーの増設や既存の防護施設の改修を加速させていると報じた。

ピート・ヘグセス米国防長官も、最近の中東訪問後、現地の基地がバンカーの活用や防護施設の改修に総力を挙げていると明らかにした。また、兵力や装備を一カ所に集中させない分散配置を進めるとともに、バンカーの迅速な導入や既存の防御施設の強化が、戦域全体における優先課題だと説明した。さらに、防御手段はパトリオットやTHAADにとどまらず、戦闘機による哨戒や各種迎撃システム、電子戦など幅広い手段を含むと強調した。

引用:X(旧Twitter)
引用:X(旧Twitter)

◆ 滑走路に置かれた高価な航空機、実際の攻撃で被害

米国がこうした対応を進める背景には、滑走路や誘導路に露出した高価な航空機が、実戦で想定以上に脆弱であることが確認された点がある。

ウォーゾーンは27日、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に対するイランの攻撃により、米空軍の早期警戒管制機(AWACS)「E-3セントリー」1機が破壊され、他の航空機も損傷したと報じた。中東における重要な空中指揮資産が打撃を受けた事例が明らかになる中、米国がなぜこれまでバンカー整備を進めてこなかったのかを疑問視する声も強まっている。

今回の脆弱性は突発的なものではない。イランや親イラン勢力によるドローンやミサイルの脅威は数年前から繰り返されてきたが、米軍は物理的な防護施設の拡充よりも、迎撃システムの強化や機動的な分散配置、さらには偽装・隠蔽・欺瞞といった運用面に重点を置いてきた。しかし今回の戦闘は、「露出した滑走路上の高価な資産」がいかに脆弱であるかを改めて示す結果となった。分散配置だけでは十分に対応できず、攻撃を受けても機能を維持できる防護構造の必要性が浮き彫りとなった。

引用:米空軍
引用:米空軍

分散配置に限界、米軍はバンカー整備を加速

特に、衛星写真で確認されたプリンス・スルタン空軍基地では、E-3をはじめとする航空機が依然として露出した場所に駐機していた状況が、米空軍の迅速戦闘展開(ACE)構想だけではあらゆる脅威に対応しきれないことを示している。敵の偵察や標的化能力の向上に伴い、移動や分散だけでは十分な対応が難しくなっており、最終的には航空機や兵力を守るための物理的な防護が不可欠であることが明らかとなった。

実際に防護強化に向けた動きも始まっている。米宇宙軍は23日、短期間でヨルダンに展開可能な組立式の強化防護施設を供給できる業者の募集公告を出した。ヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地は、今回の対イラン作戦の主要拠点の一つとされる。

また、米陸軍工兵隊もカタールのアル・ウデイド空軍基地における新たな地下強化施設の建設計画に関する公告を出した。ただ、この事業は着工が2028年と見込まれており、目前の脅威への対応としては遅すぎるとの指摘も出ている。

引用:米軍
引用:米軍

中東で露呈した脆弱性、対中戦への備えにも影響

今回の問題が注目される理由は、これが中東にとどまる問題ではないためだ。ウォーゾーンは、中東で明らかになった脆弱性が太平洋戦域、特に中国との衝突を想定した場合の課題を浮き彫りにしていると指摘した。

中東ですら給油機や早期警戒機、輸送機、戦闘機を十分に隠せなかったとすれば、より高度な偵察・攻撃能力を持つ相手に直面した場合のリスクは一段と高まる。ロシアや中国が衛星情報などを通じてイランの標的化能力を支援した可能性も指摘されており、固定基地の露出による脆弱性は、今後さらに深刻な問題へと発展する恐れがある。

中東の米軍基地で進むバンカー整備の動きの本質は、単なる施設工事にとどまるものではない。高価な防空システムだけでは戦争に耐えられないという現実を、米国が遅ればせながら認識した側面が強い。ミサイル迎撃能力の強化と同様に、攻撃を受けても機能を維持できる基地の構築が不可欠であることが明らかになった。

今回の中東での戦闘は、米軍に一つの教訓を突きつけた。パトリオットが空域を防護しても、バンカーなどの防護施設がなければ基地そのものを守ることは難しいという点だ。

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