国内企業の間で、責任に見合う報酬が十分ではないとの認識が広がり、昇進を避ける傾向が見られる中、各社は管理職の賃上げに乗り出している。

29日、日本経済新聞などによると、日本航空(JAL)は2027年までに部長級の年収を現行水準から約30%引き上げ、1,600万~2,500万円程度とする計画だ。上限の2,500万円は、一部の役員の基本報酬に匹敵する水準だ。
JALはすでに管理職全般の賃上げに着手している。部長級は最大15%、課長級は最大10%引き上げられ、主要プロジェクトを担当する部長には月10万円の手当が別途支給されている。単なる年収の引き上げにとどまらず、成果重視の報酬制度も併せて強化している。
こうした方針転換の背景には、構造的な人材不足がある。少子化により若手人材の供給が減少し、企業間の採用競争が激化した結果、初任給や若年層の賃金が急速に上がった。一方、総人件費が限られる中、中堅・ベテラン層の賃金は相対的に伸び悩み、減少に転じるケースも見られた。
こうした傾向は、統計からも確認できる。厚生労働省の資料によると、2020~2025年の賃金上昇率は20代が約15%、30代が10~12%だった一方、40代は5~8%にとどまり、50代前半では減少に転じた。経団連の調査でも、賃上げを30歳以下に重点配分した企業は23%に達したが、45歳以上に重点配分したとの回答は1%にとどまった。
こうした状況を受け、管理職の待遇改善に向けた動きは、業種を問わず広がっている。セコムは管理職手当を約30%引き上げ、富国生命保険は部長級の年収を平均で約15%引き上げた。レオパレス21も管理職の報酬上限を引き上げている。
ただし、専門家からは、賃上げだけでは限界があるとの見方もある。管理職の権限や役割が従来と変わらないままでは負担だけが大きくなる可能性があり、組織構造や意思決定権限の見直しも並行して進める必要があるとされる。それでも、報酬格差を縮小する取り組みは、「昇進すれば損をする」という認識を和らげる第一歩として、一定の意義があるとみられている。
















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