
ハンガリーで長期にわたり続いたオルバン・ヴィクトル首相の政権を崩した次期首相のマジャル・ペーテル氏は28日(現地時間)、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、6月の首脳会談開催を正式に提案した。
親ロシア路線とされたオルバン政権下で冷え込んだ両国関係を立て直すとともに、ウクライナに居住するハンガリー系少数民族の権利問題などを巡る対立の解消を図る狙いがあるとみられる。
ユーロニュースなどによると、マジャル氏は同日、首都ブダペストでウクライナ西部ザカルパッチャ州ベレホヴェの市長と会談した後、SNSを通じてゼレンスキー大統領に対し会談を提案した。同氏は「ハンガリー系住民が多数を占める象徴的な場所であるベレホヴェで、6月初めに会談することを提案する」とした上で、「今回の会談の目的は、ザカルパッチャ地域に住むハンガリー系住民の権利問題を解決し、彼らが故郷にとどまれるよう支援することにある」と述べた。
ウクライナ西部のザカルパッチャ地域には、多くのハンガリー系少数民族が居住している。両国関係は2017年、ウクライナ政府が中等教育でウクライナ語の使用を義務付ける法律を導入したことを契機に急速に悪化した。ハンガリー側は、この法律が数万人のハンガリー系住民の権利を侵害するとして反発してきた。
マジャル氏は、「ウクライナは10年以上続いてきた法的制限を解除し、現地のハンガリー系住民が文化や言語、行政、高等教育に関する権利を回復し、平等な市民として認められるべきだ」と強調した。その上で、「この問題が解決されれば、両国関係の新たな章を開くことができる」と述べた。
一方、ゼレンスキー大統領は今月初めに同地域を訪れ、ハンガリー系住民の代表と面会し、「厳しい冬を乗り越えながら前線を支えてくれたことに感謝する」と伝えていた。

12日に行われたハンガリー総選挙でマジャル氏が勝利して以降、欧州連合(EU)とウクライナの間で滞っていた懸案も徐々に動き出している。
EUはウクライナに対する約900億ユーロ(約16兆5,000億円)規模の融資を最終承認したほか、ウクライナはロシア産原油をハンガリーとスロバキアに輸送する「ドルジバ・パイプライン」の復旧を完了した。
マジャル氏はEUとの関係改善を進めるとともに、ユーロ圏への加盟の可能性についても検討する考えを示した。
同氏は「ウクライナが領土を放棄するような和平合意を強いられてはならない。いかなる国も他国に領土放棄を求める権利はない」と述べた。また、ウクライナのEU加盟自体には反対しないとしつつも、「今後10年以内の実現は現実的ではない」との認識を示し、拙速な加盟手続きには反対する立場を明確にした。













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