
イスラエルでは、ドナルド・トランプ米大統領の対イラン交渉について、弾道ミサイル戦力の制限など、自国が重視する要求が交渉の対象から外れているとの批判が連日出ている。
こうした中、 タイムズ・オブ・イスラエルは18日(現地時間)、「トランプ大統領が得られる唯一の合意は、バラク・オバマ前大統領の『包括的共同行動計画(JCPOA)』と大差ない」と題する分析記事を掲載した。
同紙は、トランプ氏がオバマ政権時代のJCPOAから離脱した際、イランの弾道ミサイルや代理勢力(抵抗の枢軸)の問題が盛り込まれていないと批判していたにもかかわらず、「数週間にわたる爆撃と1か月間の威嚇を経ても、最終的な合意にはこれらの問題が含まれない可能性が高い」と分析した。
JCPOAは、オバマ政権時代の2015年に、米国、英国、フランス、ロシア、中国の国連安全保障理事会常任理事国5か国とドイツがイランと締結した核合意だ。イランが15年間にわたり、ウラン濃縮度を3.67%以下、濃縮ウランの保有量を300キログラム以下に制限することを受け入れる代わりに、西側諸国が制裁を緩和することが柱となっている。
トランプ氏は、JCPOAに一定期間の経過後に制限が失効する「サンセット条項」が盛り込まれていることに加え、イランの弾道ミサイル戦力の制限や、代理勢力の根絶が盛り込まれていないことを問題視し、合意から離脱して対イラン制裁を再発動した。
イランの弾道ミサイルや代理勢力の問題は、米国以上に、地域の敵対国であるイスラエルにとって安全保障上の重大な脅威となってきたが、トランプ政権は第2次政権発足後、イスラエルとともに2度にわたってイランを攻撃し、これらの問題も含めて一括して解決を図る姿勢を示してきた。
しかし、戦闘開始から約3か月、停戦の発効から40日余りが経過した現在も、イランの弾道ミサイルや代理勢力の問題は、米イラン交渉の主要な争点にはなっていないとみられている。
米国が空爆の再開を示唆するなど、交渉の突破口は依然として見いだせていないが、現在の主な争点は高濃縮ウランの処理や制裁解除などに集中しており、弾道ミサイルや代理勢力の問題は扱われていない。
トランプ氏は米中首脳会談を前に、「イランが核兵器を保有してはならないというのが全てであり、自分はそれだけを考えている」と述べた。その上で、「ミサイルは望ましくなく制限すべきだが、核心は核兵器を持たせないことだ」と語った。
こうした点についてタイムズ・オブ・イスラエルは、「JCPOA破棄から8年が経過した現在、イスラエルとともに大規模な空爆を行ったトランプ氏が、かつて自らが強く批判していた合意に近い内容を追求しているように見える上、その水準の合意でさえ実現できるかは不透明だ」と批判した。
さらに、「核問題に限れば、トランプ氏はJCPOAよりやや厳しい合意を志向しているように見える一方で、ミサイルや代理勢力の問題については事実上放棄したに等しい」と指摘し、「オバマ政権のウェンディ・シャーマン(当時国務副長官)氏と同様に、核合意を成立させるためにはミサイルやテロ関連の問題を切り離さざるを得ないという現実を受け入れた形だ」と分析した。
同紙は、トム・ナイデス前駐イスラエル米大使の発言を引用し、「最終的な結果はJCPOAと非常に似たものになるだろう」と伝えた。また、「ホルムズ海峡の封鎖によって世界経済が人質となる状況を踏まえれば、トランプ氏が海峡の通行確保のために、JCPOAよりもさらに緩い合意に同意する可能性さえ取り沙汰されている」と指摘した。
















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