
米国のドナルド・トランプ大統領がイランを相手に掲げていた強硬路線が、現実の交渉の前で大きく後退したという分析が出ている。戦争初期にはイランの政権交代と無条件降伏まで言及したが、今はホルムズ海峡の再開放と休戦の延長、核交渉の再開という限定的な合意にこだわっている様子だという指摘がある。
英ガーディアンは5月30日、「迫るイランの平和交渉は、トランプ大統領の最大主義的な目標がどれほど縮小されたかを示している」と指摘した。トランプ大統領は2月28日、イランに対する軍事作戦を開始し、イラン政権の脅威除去を目標に掲げた。当時、彼はイラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)と軍、警察に武器を下ろすよう呼びかけ、イラン国民には「政府を掌握せよ」と言い、政権交代を示唆した。
その後もトランプ大統領はイランの「無条件降伏」を要求し、イランの空軍と海軍、軍事能力が事実上破壊されたと主張してきた。しかし現在の交渉は、イランの政権交代や全面的な武装解除よりもホルムズ海峡の再開放と60日間の休戦延長、核問題の後続交渉に焦点が当てられていると伝えられている。
ガーディアンは特にホルムズ海峡問題が米トランプ政権の現実的な悩みを示していると分析した。ホルムズ海峡は戦争前には船舶が特に制限なく通過していた場所だったが、戦争以降封鎖され、国際原油価格と米経済に負担をかける核心的な変数になった。
ホルムズ海峡は戦争前、世界の原油供給の約20%が通過していた戦略的水路だった。封鎖の長期化によりガソリン価格が急騰し、肥料供給の不足が重なり、食品価格の不安定化につながる懸念も高まっている。ガーディアンはトランプ大統領が海峡の再開放を優先事項にしているのは、イランが戦争を通じてむしろ追加交渉のレバレッジを得たことを示していると解釈した。米国がこれを軍事力で解決するのではなく、交渉で解決しようとしている点も注目された。
現在議論されている了解覚書(MOU)形式の合意案はパキスタンとカタールの仲介で準備されたとされている。この案は現在の休戦を60日間延長し、その期間にはイランの核プログラムを巡る長期交渉を続ける内容が含まれていると伝えられている。
核問題も依然として難題だ。トランプ大統領は過去フォルドゥとナタンズ、エスファハーンなどイラン核施設の攻撃で核プログラムを事実上無力化したと主張しているが、ガーディアンはイランが依然として約970ポンドの高濃縮ウランを保有していると見られていると伝えた。これは核爆弾10個を作ることができる潜在量と評価されている。
トランプ大統領の味方である米共和党の強硬派も懸念を示している。共和党のリンゼー・グラム上院議員、テッド・クルーズ上院議員、ロジャー・ウィッカー上院議員とマイク・ポンペオ前国務長官などは、今回の合意がトランプ大統領が過去に廃棄した米国のバラク・オバマ元政権のイラン核合意と似た形に戻る可能性があると警告した。
専門家たちはトランプ大統領が結局政権交代のような変革的な目標が不可能であるという現実に直面したと見ている。ジョージ・ワシントン大学のロバート・リトワク教授は、トランプ大統領が結局イランの行動を変える取引的な合意に向かわざるを得ない状況に追い込まれたと分析した。
イランもトランプ大統領を信頼していない雰囲気だ。ジョンズ・ホプキンス大高等国際関係大学院(SAIS)のバリ・ナスル教授は、イランが米国との合意を今後の攻撃準備段階として疑っていると指摘した。イランは休戦の履行と凍結資金の解除、封鎖の緩和などをまず見守った後、核交渉に臨もうとしているという。
結局トランプ大統領は、イランを崩壊させるという強硬路線から出発したが、今はホルムズ海峡を再び開き、休戦を延長する現実的な合意に集中している。戦争の成果を誇示しようとしたトランプ式の最大限の圧力が結局出口探しの交渉に変わっているという評価が出ている。













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