
ウクライナの相次ぐ長距離ドローン(無人機)攻撃によりモスクワの石油施設が次々と被害を受け、ロシアは慌ただしくなった。20日、ウクライナの軍事専門メディアであるディフェンス・エクスプレスなどの現地メディアは、ロシアの防空ミサイルシステム「パーンツィリ」がモスクバ南東部の石油施設近くに配備されたと報じた。
実際、現地のSNSにはウクライナのドローン攻撃の集中標的になったカポトニャ地域の石油工場に隣接するモスクワ環状道路(MKAD)の出口付近にパーンツィリが緊急配備された様子が投稿された。これについてディフェンス・エクスプレスは「パーンツィリの操縦席にはドローンを防御するための保護網が装着されており、これは過去のモスクワ防御では見られなかった」とし、「首都防御のために最前線から再配置されたことを示唆している」と分析した。

さらに「ターレット右側の発射台には最大6発中2発しか搭載されていないが、対空ミサイル不足によるものかもしれない」と指摘した。5日にもロシアはモスクワのソコーリニキ地域の有名な高層オフィスビルにヘリコプターを使ってパーンツィリを設置した。また、先月末にもモスクワ北西部にある42階建てのノルドスター・タワーの屋上にパーンツィリを配備した。
このようにロシアがパーンツィリを前面に出してモスクワの防空網を強化したのは、相次ぐウクライナ軍の長距離ドローン攻撃に無防備に突破されたからだ。特にウクライナは16日と18日に相次いでカポトニャ地域の石油施設を空襲し、大きな被害を与えた。
この地域はロシア国営のエネルギー企業「ガスプロムネフチ」が所有している場所で、クレムリン(ロシア大統領府)からわずか15km離れたところにあり、モスクワの燃料市場の約35%、モスクワ及び周辺地域で消費されるガソリンの相当部分を供給していると知られている。

ロシアは首都とクレムリンなどの核心基地を保護するために超長距離から最短距離までの武器システムを4段階重ねた多層防御網を構成しているが、今回その弱点がはっきりと露呈した。さらに前線から500km以上離れた長距離攻撃を受けたという点がロシアにとっては痛手だ。
一方、ウクライナは長距離戦力を誇示し、もはやロシアの安全地帯はないという強力なメッセージを発信した。それによりロシア各地で燃料不足の現象が広がっている。20日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はロシアの一部地域で燃料販売の制限措置が実施され、ガソリン価格が急騰する一方、給油所の前に長い車列ができるなど、混乱が発生する兆しを見せていると報じた。
WSJはロシア政府が戦争以降、原油精製量に関する統計を公開していないが、外部の専門家は最近の攻撃でロシアの精製能力の20%以上が稼働中断されたと推定していると伝えた。

ロシア語で「鎧」という意味のパーンツィリは対空機関砲と短距離対空ミサイルを組み合わせたロシアの代表的な防空兵器だ。低高度の空中脅威から保護する最後の防壁の役割を果たし、短距離対空ミサイル12発と30mm機関砲2門を備えた近距離対空防御システムだ。
特に低高度で飛行する小型ドローンや無人航空機(UAV)の迎撃に特化しており「ドローンキラー」とも呼ばれていたが、ウクライナのドローンに無防備に突破され、実戦での限界と弱点がそのまま露呈した。














コメント1
記事中、一箇所だけ”モスクバ”とロシア名で書かれてるのは何でだろ?