
ドナルド・トランプ米大統領が9月に予定される中国の習近平国家主席との首脳会談を前に、台湾との距離を置く姿勢を強めている。これまで台湾への武器売却方針を打ち出してきた姿勢とは対照的で業界では習主席を意識した対応との見方が出ている。
22日(現地時間)サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は複数の関係者の話として、トランプ大統領が台湾の頼清徳総統と近く電話協議を行う可能性は低いと報じた。最近、トランプ大統領は台湾を統治する人物と話す意向を示していたものの、実際に電話会談へ向けた動きは確認されていないという。
事情に詳しい2人の関係者は、電話会談実現にはトランプ大統領側からの働きかけが必要だが現時点で進展はないと説明した。また別の関係者は、米国が頼総統と電話会談を行えば、9月にワシントンで予定されている習主席との首脳会談が中止となる可能性が高いと予測した。5月に両首脳が築いた緊張緩和も揺らぎかねないとの懸念がある。
トランプ大統領が台湾との接触に慎重な姿勢を取る背景には過去の経緯もある。2016年末、当時のトランプ次期大統領が台湾の蔡英文前総統から祝意の電話を受けた際、中国はトランプ政権への対応を冷却化させた。この電話は1979年以降初めてとなる米台首脳の直接接触で、中国は公式に外交抗議を行い「台湾側の小細工」と非難した。
慎重姿勢は武器売却にも表れている。SCMPは複数の関係者の話として、台湾向けの新たな武器売却についても、近く発表される見込みはないと伝えた。ただし、一部案件については後日発表・承認される可能性があるとしている。
台湾の外交部長の林佳龍氏は20日、トランプ大統領と頼総統の電話協議の時期を問われ「トランプ大統領を代弁する立場にはない」とした上で「我々はいつでも電話会談を行う準備ができている」と述べた。また、武器売却の遅延については「技術的な問題」と説明した。
中国はこれまで台湾を自国の一部と位置付け、必要であれば武力による統一も辞さない姿勢を示してきた。一方、米国は武力による台湾統一に反対し、台湾への武器供与を約束している。
トランプ大統領が習主席を意識していることは、フランスで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議でもうかがえた。習主席との会談に触れた際「我々はG2会談を控えている」と発言した。トランプ大統領は世界1・2位の経済大国である米国と中国を繰り返し「G2」と表現している。
ドイツのシンクタンク、ジャーマン・マーシャル基金のインド太平洋プログラム部長ボニー・グレイザー氏は、台湾への武器売却は習主席の訪米後に発表されるとの見方を示した。グレイザー部長は「トランプ大統領と頼総統の電話協議は、習主席の訪米計画を頓挫させ、北京で築かれた脆弱な安定を揺るがすことになる」と指摘した。
一方、トランプ大統領は習主席を9月24日に米国へ招待している。ワシントンの中国大使館は日程はまだ確定していないものの、秋の訪米が検討されていると明らかにした。













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