
キア・スターマー英首相の突然の辞任を受け、来月予定されていた欧州連合(EU)と英国間の首脳会談も延期された。ブレグジット(英国のEU離脱)を決めた国民投票から10年の節目に合わせ、双方は関係見直しについて協議する予定だったが、英国の政権交代が新たな変数となり日程が先送りされた。一部では、EUが次期首相の有力候補とされる労働党のアンディ・バーナム議員をスターマー首相より柔軟な交渉相手とみているとの見方も浮上している。
ロイター通信などによると、欧州理事会議長のアントニオ・コスタ氏は22日(現地時間)「首脳会談を延期する必要が生じた」と述べ、新たな日程について英国側と調整中だと明かしたという。当初はスターマー首相とコスタ議長、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長が来月22日にベルギー・ブリュッセルで会談し、関係改善策を協議する予定だった。
スターマー首相は2024年7月の就任以来、ブレグジットを巡る対立の緩和とEUとの関係修復に力を注いできた。今回の首脳会談でも食品・動物衛生基準での協力や若者交流の拡大、排出量取引制度(ETS)の連携など幅広い課題が議題となる見通しだった。しかし、党内外からの圧力を受け、スターマー首相は辞任を表明した。
後任の首相候補としては、補欠選挙で下院議員に復帰したアンディ・バーナム議員が有力視されている。一部では、早ければ来月17日にも首相に就任するとの見方も出ている。ただし、就任直後に英EU関係を左右する重要な首脳会談に臨むことは英国、EU双方にとって負担が大きいと判断された可能性がある。
EU内部では、バーナム議員をスターマー首相より交渉しやすい人物とみる向きもあるという。英紙テレグラフはブリュッセルの関係者の話として「EUはバーナム氏をスターマー氏ほど強硬ではない人物とみている」と報じた。別の関係者もバーナム議員は今後ブレグジット関連の課題を再交渉する過程で、EU側の要求により前向きな姿勢を示す可能性があるとの見方を示している。
バーナム議員は親EU派の政治家として知られる。しかし、かつては英国のEU再加盟を支持する考えを示していたものの、最近は慎重な姿勢に転じている。AFP通信によると、バーナム議員は「この10年間、英国を分断してきた議論を繰り返したくない」と述べ、再加盟論には距離を置く姿勢を示している。
一方、現英政府がEU側の対応に強い不快感を示しているとの報道もある。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係者の話として、EUが首脳会談を延期したことを受け、英政府内では強い不満が噴出していると報じた。EUが親EU派とされるアンディ・バーナム議員の首相就任を待ち、その後に関係見直し交渉を進めようとしているのではないかとの疑念も広がっているという。













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