米、中東の米軍基地を西方へ再配置検討…候補地にイスラエルも浮上
第5艦隊はバーレーン維持か、地下化なども検討

ドナルド・トランプ米政権がイランとの戦闘で大きな被害を受けた中東の米軍基地について、西側への再配置を検討していると米メディアが報じた。候補地としてイスラエルも挙がっているという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は25日(現地時間)、複数の米当局者の話として「今回の戦闘で中東にある米軍唯一の海軍基地であるバーレーン海軍基地が深刻な被害を受けたほか、20カ所以上の基地や外交施設も攻撃された」と伝えた。米政府は中東全域に米軍の駐留戦略を見直しているという。
WSJによると、バーレーン海軍基地は2月末から6月にかけて繰り返し攻撃を受け、第5艦隊司令部の本部庁舎のほか、少なくとも12棟の建物と衛星通信ターミナル2基が大きな被害を受けたとされる。WSJは衛星画像やSNS上の映像、現役および元軍関係者の証言を総合して確認した内容であり、米国防総省はこれまで被害を認めていないとしている。
報道では、第5艦隊司令部は再利用が困難なほど損傷したほか、警備部隊の訓練施設や緊急装備の保管庫、飲料水の貯水施設や倉庫、食堂や兵舎なども広範囲に被害を受けたとのことだ。復旧費用は約4億ドル(約647億円)に上ると見積もられている。
こうした状況を受け、米軍はバーレーン海軍基地の再設計に加え、クウェートやサウジアラビアに駐留する兵力の縮小、一部基地や重要な軍事機能をイランのミサイルや無人機の射程外となる西側地域へ移転する案などを並行して検討していると伝えられている。
WSJによると、トランプ政権は第1次政権時にも中東の米軍基地がイランの攻撃に対して過度に脆弱だとの指摘を受け、大規模な再配置を協議したものの実現には至らなかったという。
またWSJは当局者2人の話として「イスラエルも新たな米軍基地の候補地の一つだ」とし、今回の戦闘ではイスラエルが米軍の戦闘機や空中給油機など数十機の航空機を受け入れていたと付け加えた。
ただし、イランが戦後もホルムズ海峡の支配権を巡って争う姿勢を維持している点を踏まえると、米国がバーレーンなどイランに近い戦略拠点を容易に放棄する可能性は低いとの見方も出ている。
ペルシャ湾で海軍力を展開する上で不可欠な第5艦隊は引き続きバーレーンに駐留させる一方、イランのミサイルや無人機攻撃に耐えられるよう基地を再建する案が有力視されている。指揮統制施設の地下化なども検討対象となっている。
元第5艦隊司令官のジョン・フォジ・ミラー氏は「我々は50年以上にわたり同地に駐留し、基地も時間とともに自然に拡張されてきた」と述べ「今なら基地建設の方法を変える部分もあるだろう」と指摘した。
同じく元第5艦隊司令官のケビン・ドネガン氏も「米国はバーレーンを重要な同盟国と位置付けており、今後も駐留を続けるだろう」とし「問題は第5艦隊司令部を維持するかどうかではなく、戦後にどのような姿へ再編されるかだ」と述べた。
WSJは、「米国がどの施設を復旧し、どの施設を放棄するのか、またどこまで後方へ移転するのかという判断は今後数十年間の米国の中東軍事戦略を左右することになる」との見方を示した。













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