
最大600億カナダドル(約6兆8,400億円)規模に達する「カナダ哨戒潜水艦プロジェクト(CPSP)」を巡り韓国とドイツが競争する中、カナダ政府が今回の潜水艦事業を通じてカナダ産業の発展とともにアメリカの関税政策による損失を相殺しようとしているとの分析が出た。
現在、韓国のハンファオーシャンとドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)はディーゼル潜水艦最低12隻を建造するCPSPの最終候補に残っている。
アメリカのブルームバーグ通信は24日(現地時間)「カナダのマーク・カーニー首相は、大規模な潜水艦契約を交渉材料に、ドイツと韓国に追加提案を求めている」というタイトルの記事で「今回の事業は新たな外交政策と国防費拡大を経済的成果に結びつけようとするマーク・カーニー首相の戦略を試す舞台だ」と説明した。
続けて「中央銀行総裁を務めたカーニー首相は昨年、ドナルド・トランプ米大統領の関税攻勢からカナダを守るため世界各国との関係を強化するという公約で政権を獲得した」と伝えた。
同メディアは「カーニー首相は韓国・ドイツの潜水艦受注競争を通じて投資拡大と製造業、先端技術分野の雇用創出を期待している。それに伴い、ドイツと韓国に対し、自動車分野への投資など追加の経済的利益を提示するよう圧力をかけた」とし「カナダ政府はこれを通じて米国との貿易戦争による経済的被害を相殺しようとしている」と分析した。

実際にハンファオーシャンは性能最適化及び迅速な納期の遵守だけでなく、事業者がカナダ国家経済にどれだけ貢献するかを示す指標である「産業寄与度」の強化に全力を尽くしている。
12日現在、ハンファオーシャンがカナダ産業界と結んだ産業・経済的利益協定は67件に達する。ここには2023年から2044年までカナダに700億ドル(約11兆3,200億円)に達する貿易及び投資と年間2万5,000件以上の雇用創出、1,000億ドル(約16兆1,800億円)相当の国内総生産(GDP)寄与を約束した。
ハンファオーシャンはカナダ自動車部品製造業者協会(APMA)と合弁会社(JV)を設立しK9自走砲と天武(K239 Chunmoo)など戦略兵器及び軍用・産業用車両を共同生産するという公約を出した。これは衰退した自動車産業を復活させようとするカナダ連邦政府の要求に完全に合致する内容だ。
このほかにもハンファオーシャンはカナダのエネルギー企業であるカナタ・クリーン・パワー&クライメイト・テクノロジーズと覚書(MOU)を締結し年間1,200万トン規模で推進する浮体式液化天然ガス生産設備(FLNG)構築事業にも参加する。
ブルームバーグ通信は「結局勝負は経済的条件で決まる可能性が高い」とし「カーニー政権は、アメリカの関税で打撃を受けたカナダの鉄鋼・自動車産業を支援するため、韓国とドイツに追加投資や経済的利益の提供を求め、強い圧力をかけている」と指摘した。
「カナダ政府の要求水準、異例」
カナダ政府が韓国とドイツに要求する産業寄与規模が異例の水準だとの指摘が内部からも出ている。
カナダ国際問題研究所(CGAI)のデイビッド・ペリー所長はブルームバーグに「カナダ政府の要求水準が非常に異例だ。こんな前例はなかった」とし「明確な先頭候補がない中で有力な2候補に絞られた今回の競争構図が事業の重要性をさらに高めた」と評価した。

実際に一部では潜水艦入札が安全保障の空白よりもカナダ産業再建により焦点が当てられているとの批判が出ている。現在カナダ政府は後方支援・整備能力に50%、潜水艦性能に20%、コストに15%、経済的利益及び戦略的価値に15%の比重を置いて提案を評価している。
カナダの国防調達担当国務長官であるスティーブン・プーア氏は23日「最終候補に残った韓国のハンファオーシャンとドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)どちらも海軍の要求事項を満たしている」とし「現在カナダ政府は各社の提案がもたらす経済的利益に焦点を当てている」と強調した。
カナダ・カールトン大学のフィリップ・ラガセ准教授は「韓国が今回の事業を受注すれば世界的な潜水艦輸出国としての地位を確立するのに大きな助けになる」とし「一方ドイツはすでに北大西洋条約機構(NATO)との緊密な関係を基に潜水艦強国の地位を築いたため商業的なメリットは相対的に大きくない」と分析した。
カナダが韓国とドイツ両方を選択する可能性は?
優位を決めるのが難しい競争が続く中、カナダ政府が妥協案を議論したとの言及も出ている。
ブルームバーグは「カナダ政府が大西洋沿岸にはドイツ潜水艦を、太平洋沿岸には韓国潜水艦をそれぞれ配備する異例の妥協案を議論したと伝えられる」とし「ただしカーニー首相をはじめとする国防専門家や政府関係者はこの案が運営の複雑さとコストだけを増やすだろうと懐疑的な立場を示した」と伝えた。

軍事専門家は今回のカナダの潜水艦調達プロジェクトが現地工場や大学、産業システムの構造を変え数十年にわたって影響を与える大きな転機になるだろうと展望している。
カナダ王立軍事大学のポール・ミッチェル国防学教授はカナディアン・プレスに「韓国は今回の事業受注のために全てを注ぎ込んだ」とし「ある面では韓国が(潜水艦受注の機会を)逃す方が難しい状況だ」と評価した。
一方カナディアン・プレスは「7月NATO首脳会議を前に政府が今後数日内に最大12隻の潜水艦供給業者を発表する見込みだ」と伝えた。カナダ政府は公式に2026年夏に優先交渉対象者を選定し契約交渉に入るという立場を維持している。













コメント0