
米国の共和党など保守の陣営で、数十年続いてきた対イランの強硬路線が揺らいでいるとの見方が出ている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は24日(現地時間)、共和党内で、イランを「悪の枢軸」と位置付けていた従来の認識から脱却し「対話が可能な実用主義の国家」として再定義する流れが広がっていると報じた。
この転換を主導しているのは、米国のドナルド・トランプ大統領だ。トランプ大統領は、イランとの終戦の了解覚書(MOU)の締結の過程で、イランの指導部を「強くて賢い人々」と称賛した。2月28日にイラン爆撃を開始した際、イランの指導部を「非常に恐ろしい人々」と非難したのとは対照的だ。
米トランプ政権の第1期にホワイトハウス首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏も、トランプ大統領を「ディールメーカーであり、実用主義者だ」と評する。バノン氏は、古代ペルシャがギリシャやローマに対抗して主権を持ちこたえた歴史を引き合いに出し、イランが持つ頑強な抵抗力を説明した。イランに勝てないなら取引するのが現実的だ、という趣旨と解釈できる。
元FOXニュースのアンカー、タッカー・カールソン氏は、米国の中東政策のシンクタンクであるクインシー研究所の共同創設者、トリタ・パルシ氏とのインタビューで、イランがホルムズ海峡の封鎖の能力を背景に「世界的な強国として台頭する」と主張した。
パルシ氏はNYTに「一部の米国の右派は、イランそのものよりも、そもそも戦争が始まったことに、より怒っている」と述べ「イランという概念がどれほど変化したかを示している」と語った。
党内の強硬派は依然として反発している。共和党の上院議員(テキサス州)であるテッド・クルーズ氏は自身のポッドキャストで「神政主義の狂信者に数十億ドルもの大金を与えるなど、最悪の選択肢だ」とし、トランプ大統領が「非常に間違った助言を受けている」と批判した。共和党の上院議員(モンタナ州)であるティム・シーヒー氏はFOXニュースで「イランの指導部は、依然として我々を殺したがっている」と述べた。
トランプ大統領は、イランとの戦争や合意の過程などをめぐり、共和党の内部の反発に直面した。ロイター通信はこの日、共和党の非公開の会議で、米国の上院議員(ルイジアナ州)であるビル・キャシディ氏がトランプ大統領に直接抗議し、大声が飛び交う衝突が起きたと報じた。キャシディ議員は、イランとの合意が、イランに財政的な支援を提供するものだが、トランプ政権が掲げた戦争の目標は達成できていないと主張した。キャシディ議員は非公開の会議の後、記者たちと会い「米国の国民は、我々が聞いている以上に多くのことを知る権利がある」と語った。
トランプ大統領は、この会議の直後、議会に、イランとの戦争の費用などを理由に、876億ドル(約14兆1,700億円)規模の追加の支出を承認するよう要求した。
ロイター通信と世論調査機関のイプソスが実施した調査では、米国人の4人に1人だけが、イランとの戦争が、その費用に見合う価値があると答えた。

















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