
アメリカ主導のグローバル人工知能(AI)サプライチェーン(供給網)「パックス・シリカ(Pax Silica)」が、ヨーロッパ主要国と中央アジア、中南米諸国の参加を機に勢力を拡大している。激化するAIグローバル競争の中で、半導体や重要鉱物などにおける「中国に依存した供給網」からの脱却と、その再編の動きが加速すると予想される。
25日(現地時間)午前、ワシントンD.C.のドナルド・J・トランプ平和研究所で「パックス・シリカ首脳会議2026」の開幕式とともに、中央アジア国家カザフスタンの新規加入署名式が行われた。パックス・シリカ(半導体・AI覇権)の戦略を総括する米国務省諮問委員のジェイコブ・ヘルバーグ氏は、開幕式の基調講演で「AIは単なる技術進歩ではなく、国家安全保障と経済主権の核心だ」と指し、そのうえで「規制回避や技術流出のリスクがある国への依存度を下げ、信頼できるパートナーシップを構築すべきだ」と強調した。中国には言及しなかったものの、中国のAI供給網覇権を牽制する発言と受け止められた。
参加国の具体的な行動計画を盛り込んだ同イニシアチブには、まず、AIデータセンターに不可欠な大量の電力供給対策や、半導体製造に必要なレアアース供給網の多様化が盛り込まれた。さらに、次世代AI半導体の設計から最先端露光装置の流通、データセンター構築に至る全工程において、セキュリティが検証されたハードウェアのみを使用するガイドラインを制定する。また、加盟国企業間の長期的な売買契約や技術提携を促進するほか、AIの技術革新と投資を加速させるため、規制サンドボックスの導入や共同での標準化研究を推進することとした。
同イニシアチブの発表後、カザフスタンの首席代表が「パックス・シリカ宣言文」に公式署名した。カザフスタンは世界有数の重要鉱物資源大国であり、今回の署名によって、パックス・シリカがその勢力を従来の米欧やアジア太平洋中心の技術同盟から、中央アジアへと拡大する重要な足がかりを得たとの評価が出ている。
パックス・シリカは平和、安定、長期的繁栄を意味するラテン語の「パックス(pax)」と半導体素材「シリカ(Silica)」を組み合わせた言葉で、半導体やレアアース、データセンターなどAI産業全般の供給網を中国依存から脱却し安定的に再編しようという趣旨で2025年12月にアメリカ主導で発足した多国間協議体である。発足当時、アメリカと日本をはじめ、韓国・オーストラリア・イスラエル・イギリス・シンガポールなどが創立メンバーとして参加した。アメリカは、重要鉱物やエネルギー原材料から先端製造、半導体、AIインフラ、物流に至るまで、全世界の技術サプライチェーン全般にわたり「安定的かつ強靭(レジリエント)なエコシステム」を構築するという目標を掲げ、多国間の連合を主導している。
今回のパックス・シリカ首脳会議を前に、欧州連合(EU)やドイツ、オランダ、ギリシャなどが新たに参加し、これらの国の加入署名式が行われた。また、首脳会議の最終日である26日にはアルゼンチン・チリ・コスタリカ・パナマなど中南米諸国も追加で参加する予定で、参加国は合計24カ国に増える。
特にオランダの参加は象徴的な意味が大きいとの評価が出ている。オランダは世界最大の半導体露光装置メーカーであるASMLを擁しており、これまで対中国半導体輸出管理を巡ってアメリカと微妙な立場の違いを示してきたからだ。
アメリカはASMLの最先端EUV(極紫外線)露光装置が自国主導の対中国先端技術輸出管理体制を回避して中国に流入した可能性を疑ってきた。一方、ASML側はこうした疑惑を否定し、輸出管理規則を順守しているとの立場を示している。米国務次官であるジェイコブ・ヘルバーグ氏はこの日「二日前にオランダ・EU・ドイツ・ギリシャが加盟国として公式署名し、技術同盟の枠組みが完成した」と述べ、「特にASMLなど半導体の中核機器の供給網の協調が一層強化された」と評価した。

















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