「バスほどの大きさの潜水艇に人は乗っていない」…英国、地球の反対側から遠隔操作

英国海軍は、バスほどの大きさを持つ超大型無人潜水艇を対象に、本格的な自律航行および搭載機器の試験に着手する。昨年、オーストラリアから1万6,000km以上離れた英国近海の潜水艇を遠隔運用したのに続き、実際の軍事利用の可能性を検証する。
英国潜水艦調達庁(SDA)は最近、自国の企業MSubsとの間で、「CETUS」超大型無人潜水艇の試験・評価に関する668万ポンド(約14億3,800万円)規模の契約を締結した。
契約期間は先月24日から2028年5月1日まで続く。MSubsは英国南西部のプリマス施設と近隣の海上試験場で水中自律航行技術のリスク低減を図るとともに、各種搭載機器の試験を行う。
試験対象となるのは、英国海軍が運用する実験艇「XV-エクスカリバー」だ。全長12m、幅約2m、排水量19tで、英国海軍がこれまで試験してきた無人潜水艇の中では最大となる。乗員が搭乗しない超大型無人潜水艇(XLUUV)に分類される。
オーストラリアから英国海域の潜水艇を遠隔運用

エクスカリバーは、MSubsが3年にわたって進めたCETUSプロジェクトを通じて開発された。英国海軍は昨年5月、デヴォンポート海軍基地でこの潜水艇を初めて公開した。
英国は同年7月、オーストラリアで実施された多国籍連合訓練「タリスマン・セーバー」において、長距離遠隔運用能力の試験を実施した。オーストラリアの遠隔運用センターが1万マイル(約1万6,000km)以上離れた英国海域に沈むエクスカリバーと通信し、機体を制御した。
英国とオーストラリアがAUKUS(米国・英国・オーストラリアによる安全保障同盟)の協力のもと、超大型無人潜水艇を共同運用できるかを初めて検証した試験だった。米国と日本も水中音響通信技術の試験に参加した。
英国海軍はエクスカリバーを直ちに実戦任務へ投入するのではなく、将来の無人潜水艇の運用構想と要求性能を確立するための試験機として活用する。また、有人潜水艦と無人システムが共同で作戦を遂行する「有人・無人複合戦力」の構築にも、試験結果を反映させる計画だ。
海底施設の防護・情報収集の可能性を検証

エクスカリバーは構造上、多様なセンサーや任務用装備を搭載できる。英国海軍は、秘匿性の高い情報・監視・偵察任務や海底インフラの防護、敵潜水艦の探知などに超大型無人潜水艇を活用する方策を検討している。
人が搭乗しないため、危険海域に長時間とどまることができ、有人潜水艦が担ってきた一部の偵察任務を代替することも可能だ。通信・航法技術が進歩すれば、敵による衛星測位システム(GPS)妨害が予想される海域でも、自律的に行動できる可能性がある。
ただし、エクスカリバーは武装を備えた実戦配備型潜水艦ではなく、技術実証用のプラットフォームである。英国海軍は今後2年間、自律航行の安定性と搭載機器の性能を重点的に検証したうえで、次世代無人潜水艇の開発方針を決定する見通しだ。
英国海軍は「この規模の無人艦艇を水中で運用する際に生じる固有の課題を把握する」としたうえで、「有人プラットフォームと連携して行動する将来の無人戦力開発に、今回の試験結果を活用していく」と述べた。














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