「査察を拒む山の中で何が動いている」...数千台の遠心分離機を“極秘移送”か

イランが、地下深くに掘られた山岳トンネル内へ数千台のウラン濃縮用遠心分離機を移したと、イスラエル情報当局が分析していることが分かった。空爆で打撃を受けた核開発計画をイランが水面下で再建しようとしているとの懸念が、国際社会で一段と高まっている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は21日(現地時間)、米国とイスラエルによる空爆でイランの主要核施設3か所が攻撃を受けた直後の2025年秋、イスラエルが米国側に対し、イランが通称「ピックアックス山」の地下施設へ遠心分離機を急きょ移送したとの情報を伝えていたと報じた。
イランとの戦争を巡り、イスラエルと米国の目標に隔たりがあるなか、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランによる兵器開発や核施設再建の試みを阻止するため、全面的な再空爆に踏み切るよう米国のドナルド・トランプ大統領に働きかけ続けてきたとされる。米国も直近10日間でイランへの攻撃を強化しており、トランプ大統領は「ピックアックス山」を攻撃する準備が整っていることを示唆している。
トランプ大統領は7月13日、米国の保守系放送司会者ヒュー・ヒューイット氏とのインタビューで、同地域について「大きく強烈な一撃を加える格好の標的」と述べ、ピックアックス山を初の攻撃目標として公然と名指しした。
イランで「コラン山」と呼ばれるピックアックス山は、米国とイスラエルが数年にわたって監視してきた場所で、イランの主要核施設の近くに位置する。2020年に破壊工作とみられる爆発で大きな損傷を受けた遠心分離機組立施設に代わる施設として建設された地下施設だ。
科学国際安全保障研究所(ISIS)などの核問題専門家によると、現地では過去15か月にわたり、トラックの往来やトンネルの補強、警備網の整備といった継続的な動きが確認されている。専門家は、強固な岩盤の地下約90~135メートルに設けられたこの地下複合施設には、複数の核関連設備を収容できる十分な空間があるとみている。
科学国際安全保障研究所のデービッド・オルブライト所長は「イランが遠心分離機をこのトンネルへ移した可能性は、十分に説得力がある」との見方を示した。
米国のジョー・バイデン前政権でホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のイラン担当部長を務めたネイト・スワンソン氏も、「秘密裏に進められる核活動は最悪のシナリオだ」と指摘した。そのうえで、「イランの意図を正確に把握することが難しいだけに、事態の深刻さを物語っている。国際原子力機関(IAEA)による現地検証が急務だ」と強調している。
遠心分離機は、ウランガスを高速回転させて同位体を分離し、原子力の民生利用や核兵器製造に用いる物質を濃縮するための中核装置である。イランは核兵器を開発する意図を否定しているものの、すでに兵器級に近い濃縮度60%のウランを大量に保有している。
専門家は、遠心分離機が山岳地帯へ移されたとしても、濃縮施設が直ちに稼働することを必ずしも意味しないと分析している。2025年の空爆後も残った設備が破壊されるのを防ぐため、安全な場所に保管した可能性もあるという。
一方、イランは同施設へのIAEAの立ち入りを全面的に認めず、関連情報も提供していない。IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、イランが過去に同地域で核活動を行う意向を示していたと述べている。
















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