ナバロ氏「中国は供給を絶たず、許可を遅らせて世界企業を圧迫」
廃磁石・電子廃棄物からレアアースを精製…「採掘から磁石生産まで」のサプライチェーン推進

米国防総省が、中国に支配されるレアアース・重要鉱物のサプライチェーンから脱却するため、既存の支援に加え、米国の精製業者に2,500万ドル(約40億6,000万円)を追加投資した。ホワイトハウスのナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)はこれを、採掘から磁石生産まで中国を経由しないサプライチェーン構築を加速させる措置と評価した。
ナバロ上級顧問は14日(現地時間)ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)オピニオン欄に掲載した寄稿文で、中国がレアアースと重要鉱物の生産・精製における支配力を利用して世界企業を圧迫し、米国の防衛産業・先端産業を脅かしていると主張した。
重要鉱物とは、レアアースを含め半導体・バッテリー・先端武器生産に不可欠だが、生産・精製のサプライチェーンが一部の国に偏在している鉱物を指す。ガリウムとゲルマニウムは半導体・レーダー・光ファイバー・夜間視認装置に、グラファイト・リチウム・コバルト・ニッケルは電気自動車とドローン用バッテリーに使用される。アンチモンは弾薬と難燃剤に、タングステンは弾薬と工作機械に使用される。
ナバロ氏は中国の手法を「首を絞めずに飢えさせる戦略」と表現した。輸出を完全に停止するのではなく、許可を遅らせて供給量を調整し、コストを引き上げることで世界企業が中国にどれほど依存しているかを実感させるという説明だ。
米国防総省は13日、リエレメント・テクノロジーズに2,500万ドルを投資すると発表した。投資金はインディアナ州マリオン施設の設備購入・設置費と運転資金に充てられる。廃磁石などのリサイクル原料から高純度希土類酸化物とゲルマニウム・ガリウムなどを精製する能力を拡大するのが目標だ。
ナバロ氏が説明したサプライチェーン構想では、リエレメントが鉱物原料からレアアース酸化物を分離・精製し、バルカンエレメンツがこれを金属に加工して完成磁石を生産する。鉱物の採掘から分離・精製、金属加工、磁石生産までの全工程を中国を経由せずに米国内で処理するという構想だ。
リエレメントの核心技術は、様々な種類の原料から必要な鉱物を分離するクロマトグラフィー工程だ。リサイクル磁石と鉱山廃棄物、産業副産物、電子廃棄物など成分が異なる原料を幅広く活用できるというのがナバロ氏の説明だ。

ナバロ氏はこの方法が、安価な石炭発電と化学物質を大量使用する工程に依存する中国の製法よりも廃水や有毒廃棄物を削減しながら価格競争力も確保できると主張した。ただし寄稿文には、コストと環境面での競争力を独立して検証できる具体的な比較資料は示されていない。
彼は政府が小規模技術企業と大手製造業者を結びつけた過去の事例として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大初期の人工呼吸器増産を挙げた。当時ホワイトハウスは小型医療機器企業ベンテック・ライフ・システムズとゼネラルモーターズ(GM)を連携させ、人工呼吸器を大量生産した。政府が戦略産業のサプライチェーンにおける脆弱なポイントを見出し、技術企業と大手製造業者を結びつければ、重要鉱物の供給網も迅速に構築できるという論理だ。
ナバロ氏は、水平掘削と水圧破砕がエネルギー輸入依存度の高かった米国を主要エネルギー生産国に変えたように、新しい精製技術が「重要鉱物版シェール革命」を引き起こす可能性があると展望した。
リエレメントは年末までに年間500トン規模の二酸化ゲルマニウム分離能力を備えるという目標を示した。ナバロ氏が示した米国の年間需要推定値である90~120トンと比較すると4倍を超える規模だ。
ただし500トンは現在の生産量ではなく、年末時点の処理能力を年間ベースで換算した目標値だ。ナバロ氏は中国の鉱物圧迫が逆に米国と同盟国の脱中国供給網構築を促進したとし、政府が技術企業に資金を支援し、彼らを大手製造業者と結びつけるべきだと主張した。
















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