「大統領選に4度目の出馬を考えている」トランプ氏、“2028帽子”で記者晩餐会を凍りつかせる

ホワイトハウス記者協会年次晩餐会
「フェイクニュース」に対する痛烈な批判
「大統領選出馬」を冗談交じりに宣言

出典:ロイター通信
出典:ロイター通信

アメリカのドナルド・トランプ大統領がホワイトハウス記者協会(WHCA)年次晩餐会で「アメリカ大統領に4回目の出馬を考えている」と冗談を言った後、メディアを「フェイクニュース」と非難し、記者と政敵を実名で批判した。表現の自由と報道の自由を象徴する行事だったが、この日の晩餐会はメディアと政敵に対するトランプ流の政治演説に近い雰囲気となった。

トランプ大統領は24日(現地時間)ワシントンD.C. ウォルドーフ・アストリア・ホテルで開催されたWHCA年次晩餐会に出席し、「私は(大統領選を)3回勝った。特ダネになるかもしれないが、アメリカ大統領に4回目の出馬を考えている」と述べた。

これはジョー・バイデン前大統領に敗れた2020年大統領選まで含めて3回勝ったとし、選挙結果を認めない既存の主張を再度強調したものだ。

トランプ大統領は2016年と2024年の大統領選勝利に加え、2020年大統領選も自分が勝ったと主張しており、この日も当時の大統領選が操作されたという趣旨の発言を続けた。

笑いで始まった晩餐会…メディア攻撃で急変

この日の行事は4月に開催予定だったが、武装した犯人の銃撃で中断された後、約3ヶ月ぶりに再び開催された。

WHCA年次晩餐会は現職大統領が記者たちと一堂に会し、政敵とメディアに対する風刺を交わしながらも表現の自由と報道の役割を尊重するアメリカの政治文化の象徴的な行事とされている。

トランプ大統領も演説の冒頭では比較的穏やかな態度を見せた。自分を批判した記事で賞を受けた記者たちと笑顔で握手し、「簡単な夜ではない。この多くの賞が…」と自分を批判した記事が相次いで受賞する状況を冗談で受け止め、出席者たちの笑いを引き出した。

続けて「私は皆さんを全員好きなわけではないが、大部分を尊重している」と述べ、「トランプ嫌悪症にかかっている人たちが一堂にこうして多く集まった」と言い、4月の銃撃事件に言及し「アメリカで我々は政治暴力に屈しない」と強調し拍手を受けた。

しかし演説が続くにつれて雰囲気は急激に変わった。

トランプ大統領はCNNホワイトハウス記者ケイトラン・コリンズを実名で挙げ、「フェイクニュースで賞を受けた」、「彼女は絶対に笑わない。笑え」と述べた。彼は過去にも同じ記者に対して似たような発言をし、性差別論争を引き起こしたことがある。

またニューヨーク・タイムズを「潰れかけのニューヨーク・タイムズ」と呼び、チャック・シューマー民主党上院院内総務や深夜トークショー司会者ジミー・キンメルなど、普段政治的に対立している人物たちを次々と挙げて非難した。CNNは自社記者を狙った発言の直後に声明を出し、記者に対する人身攻撃的な発言を批判した。

「トランプ2028」帽子をかぶり「4回目の出馬」

トランプ大統領は演説の途中で「トランプ2028」と書かれた赤い帽子を取り出してかぶった。

アメリカ合衆国憲法修正第22条は大統領の3選を禁じているため、実際の4回目の出馬は不可能だ。この日の発言も自らの政治的メッセージを際立たせるための冗談として受け取られた。

しかし晩餐会の雰囲気は初めの笑いとは裏腹に後半に進むにつれて重くなった。トランプ政権の関係者たちは拍手と歓声を送ったが、記者たちの間では笑いがほとんど消え、多くは沈黙の中で演説を見守った。

トランプ大統領は演説の終わりにバラク・オバマ元大統領の2011年WHCA晩餐会に言及し、「私を強く打撃したが、尊重を持ってそうした」と述べた。

当時オバマ元大統領は晩餐会でトランプを辛辣に風刺し、客席に座って固い表情でそれを聞くトランプの姿が話題になった。アメリカの政界ではこのシーンが二人の確執が本格化した象徴的な瞬間として語られることもある。

「修正第1条は取り返しのつかない取引」

今回の行事は4月の銃撃事件で中断されていたため、参加者たちは4段階のセキュリティチェックを受けるほど厳重な警備の中で入場した。

行事の終わりにWHCA会長であるCBS放送のウェイジャ・ジャンはトランプ大統領を紹介し、「大統領は常に交渉家だったが、修正第1条は取り返しのつかない取引だ」と述べた。メディアと大統領が衝突する場でも表現の自由と報道の自由は譲れない民主主義の原則であることを間接的に強調した発言だった。

荒巻俊
荒巻俊

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