暗号資産リップル(XRP)の価格が4月以降に55%以上上昇しており、テクニカル指標とオンチェーンデータの両面から、さらなる上昇の可能性が示唆されている。
特に、大口投資家(クジラ)のウォレットが、純流出から純流入へと転じたことにより、昨年から今年初めにかけて4ヶ月間で約700%の急騰を記録した際と類似するパターンが再び確認されたとする分析がある。

暗号資産データ分析会社「クリプトクオント」によると、XRPの大口投資家ウォレットは昨年11月以降、保有量を継続的に減少させてきたという。この期間中、XRP価格は3.55ドル(約522円)を超えた後、2ドル(約294円)以下に急落する調整局面を迎えていたという。
しかし、今月中旬に入り大口投資家の資金流出ペースが鈍化し、90日間の純流入平均がプラスに転じたことで、市場センチメントが転換期を迎える兆しを見せている。
こうした大口投資家による資金フローの反転は、過去にも価格転換のシグナルとして機能したことがある。代表的な事例として、昨年7月に0.43ドル(約63円)だったXRPが、今年1月には3.38ドル(約497円)まで約686%上昇した。当時も大口投資家の資金の純流出が止まり、純流入へと転じた直後に上昇が始まった経緯がある。
暗号資産関連メディアのコインゲイプなどによると、XRPのテクニカル分析も強気の展開を裏付けている。
昨年12月から今月初めまでの数ヶ月間にわたり形成されていた下降ウェッジパターンが、2.25ドル(約331円)付近で上方ブレイクしたとされている。
この水準は、50日指数移動平均線(EMA)の上に位置しており、現在は主要な支持線として機能している。ウェッジパターンの高さに基づく技術的目標価格は約3.45ドル(約507円)で、13日(日本時間)午後9時45分時点の価格である2.55ドル(約375円)に比べ、約36%の上昇余地があるとみられる。
また、相対力指数(RSI)も買い圧力の回復を示している。RSIは57を上回り、短期的には強気のモメンタムを示している。ただし、アナリストのマグス氏は、2.80ドル(約412円)付近に強い抵抗帯があると指摘しており、短期的にはこの水準が価格上昇の一時的な上限となる可能性があるとの見方を示した。
大口投資家のウォレット動向は、一般的に価格上昇前の「蓄積フェーズ」の始まりを示唆することが多い。
クリプトクォント所属のアナリストであるクリプトマブシム氏は、「資金流出のペースが鈍化し、純流入の棒グラフが上昇曲線を描いている」とし、「まだ完全な反転ではないが、数ヶ月ぶりに見られた安定化のシグナル」と評価した。
さらに同氏は「このような底固めの動きは、過去の大口投資家主導による上昇相場においても繰り返し見られた典型的なパターンだ」と分析した。
XRPが過去同様に、大口投資家の資金フロー反転を契機として再び上昇ラリーを展開できるか、市場関係者の注目が集まっている。
専門家の間では、短期的な抵抗線を突破すれば、3ドル(約441円)台半ばまで到達する可能性があると予測されている。