
イランはトランプ米大統領の戦術を逆手に取った。米国との停戦覚書(MOU)草案を先に公開し、自らの立場をメディアを通じて先制的に発信している。トランプ大統領が「トゥルース・ソーシャル」で情勢を動かしてきたそのままだ。
27日(現地時間)、イランのイスラム共和国放送は米国とイランの停戦覚書(MOU)草案を報じた。文書にはレバノンなど周辺国からの米軍撤退、ホルムズ海峡封鎖の解除、凍結資産の解除、イランがオマーンと協力してホルムズ海峡の船舶通航を管理する枠組みなどが盛り込まれている。米国がこれまで一貫して求めてきた高濃縮ウランの国外搬出については、搬出ではなく濃縮レベルのみが協議対象だとイラン側は説明した。
草案の内容は、米国がこれまで提示してきた条件をほぼ覆すものとなっている。国営テレビは「最終版ではなく、60日以内に詳細を確定する」と述べた。
トランプ大統領は即座に「完全な捏造だ」として一蹴した。ホワイトハウスも「イランの報道は事実ではなく、イランが発表する内容を誰も信じるべきではない」との立場を示した。
イランがMOU草案を先に公開したのは異例だ。これまでトランプ大統領は交渉の節目ごとに「トゥルース・ソーシャル」や海外メディアへのインタビューで自らの見解を先に示し、イランが後から反論する構図だったが、今回はイランが同じ手法を用いて世論形成に乗り出したと分析されている。
同日、ファルス通信はトランプ大統領が数時間以内に合意の最終確定を一方的に発表する可能性があると伝えた。同通信は「トランプによる一方的な発表は、残る争点が完全に解決される前に圧力をかけ、世論を操作しようとする試みだ」と評価した。
トランプ大統領はPBSニュースのインタビューで「イランが高濃縮ウランを国外に搬出しても、いかなる譲歩や制裁緩和も受け取ることはない」として、濃縮レベルの調整ではなく保有禁止の立場を重ねて確認した。ルビオ国務長官やピート・ヘグセス国防長官も、交渉が決裂した場合の軍事行動再開を繰り返し警告している。
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスでの閣僚会議後に「イランとどのような合意が成立しても、ホルムズ海峡はすべての国に開放され、いかなる国も管理できない」として、「イランへの制裁緩和や財政的な譲歩は行わない」と述べた。さらに「イランが正しく行動すれば凍結資産を返還するが、今はそうではない」とし、「イランが応じない場合には、私の隣にいるヘグセス国防長官が仕上げるだろう」と牽制した。















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