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中国レアアースの壁…日本企業社員2人、製品に組み込み密輸容疑で拘束

有馬侑之介 アクセス  

引用:MP Materials
引用:MP Materials

日本企業の社員がレアアース密輸の疑いで中国当局に拘束されたことが確認され、産業界に動揺が広がっている。

毎日新聞は26日、「富士電機の社員2人が、レアアース磁石を製品に内蔵したまま中国から輸出し、日本国内で取り出そうとした疑いが持たれている」と報じた。

これに先立ち、木原稔官房長官も24日の記者会見で、「日本人2人が5月18日と25日、中国遼寧省大連で『国家輸出入禁止貨物密輸罪』違反の疑いでそれぞれ拘束された」と明らかにした。富士電機は中国で産業用モーターや自動販売機などを生産しており、製品の大半は中国国内向けだ。

中国当局が問題視したのは、レアアース磁石を完成品の中に組み込んで輸出した後、日本で製品を分解・回収し、レアアースを取り出す手法だ。日本では「裏技」と呼ばれ、現地の日系企業の間ではある程度広がっていたという。毎日新聞は、現地関係者の話として「特定の税関ではこれまで事実上黙認されてきた」と伝えた。

毎日新聞によると、中国では「国家輸出入禁止貨物密輸罪」は5年以下の懲役または罰金刑に処されるが、重大事案と判断されれば5年以上の懲役刑が言い渡される可能性もあるという。2023年には、アステラス製薬の日本人社員がスパイ容疑で北京で拘束され、昨年、懲役3年6カ月の実刑が確定したことがある。

こうした「裏技」が広がった背景には、最近の日中関係の急速な悪化に伴うレアアース規制の強化があるとされる。

中国税関総署によると、今年5月の日本向けレアアース磁石の輸出量は123トンで、前月比34.6%減少した。同じ期間の中国の世界向け輸出量の減少幅(7.7%)と比べると、特に大きな落ち込みだ。

一方で、「(レアアースの供給が絞られても)製品を安定的に供給しなければならないという圧力を受けている」(日本の電子機器メーカー関係者)という日本企業の事情から、迂回的な手法がさらに広がっているという。

中国は昨年11月、高市早苗首相の「台湾有事」に関する国会答弁に反発し、今年1月にレアアースなどの対日輸出規制を強化した。特に、高性能磁石に添加されるジスプロシウムやテルビウムなど、電子部品や自動車の製造工程に欠かせない重レアアースが規制対象となったことで、日本の電気自動車(EV)や産業機械用モーターの生産にも支障が出ている。

中国は世界のレアアース生産の約70%を占めているうえ、重レアアースは中国以外での採掘・生産が難しく、日本が「脱中国」を急ごうとしても、短期間で供給網を置き換えるのは容易ではない状況だ。

毎日新聞は、「突き詰めれば高市首相の発言が原因だ。国民を守ってくれないのか」と嘆いたという半導体会社の担当者の言葉を紹介し、悪化する状況に対する業界の不満も伝えた。

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