
北朝鮮による相次ぐ軍事的示威とミサイル発射を背景に、朝鮮半島を巡る安全保障環境の緊張が続いている。
こうした中、元・連合参謀本部次長(前・米韓連合司令部副司令官)を務めた姜信哲(カン・シンチョル)元大将が、インタビューで、韓国軍の防衛構造と首都ソウルの戦略的意味について言及した。
姜氏は、ソウルは単なる過密都市ではなく、軍事的観点から極めて攻略が困難な構造を備えていると指摘した。都市戦は通常の野戦戦術が通用しない領域であり、軍事的には本来回避されるべき空間であると位置づけた。建物と構造物が密集する都市は、侵入した部隊の兵力を継続的に消耗させる存在であり、「兵力吸収空間(スポンジ)」になると説明した。過去の大規模な都市戦においても、強力な戦力を持つ軍であっても都市内部で消耗を重ね、作戦の主導権を失った事例があると言及した。ソウルのような超大型都市に敵が進入した場合、初動段階から膨大な人的・物的損耗を強いられる構造にあるという。

また、姜氏はソウルが持つ国家的中枢機能と回復力(レジリエンス)にも言及した。仮に被害を受けた場合でも、政治・経済・軍事・インフラの中枢が集中していることで、迅速な復旧と再起が可能であると述べた。空間的縦深が限られる他国と比較しても、首都圏の回復システムそのものが防衛力の一部として機能しているとの認識を示した。
北朝鮮が最も警戒している要素について、姜氏は火力や特定の兵器体系ではないと述べた。真の脅威は、韓国軍が保有する情報・監視・偵察(ISR)能力および指揮統制能力にあると指摘した。敵の動向をリアルタイムで把握し、精密に対応できる体制そのものが、戦略的圧力として作用しているとした。特に、朝鮮半島に展開する米軍部隊が「マルチドメイン・タスクフォース(MDTF)」水準へと強化されている点については、北朝鮮にとって無視できない戦略的負担になっているとの見解を示した。

将来の戦争像について、姜氏は抑止の軸が変化していると分析した。核抑止中心の時代から、人工知能(AI)を基盤とする抑止力の時代へ移行しつつあるとの認識を示した。ドローン、ロボット、AIを統合した兵器体系をいかに設計・運用するかが、国防の根幹を左右すると述べた。その上で、韓国は「技術主導型の国防国家」へ転換する必要があると指摘した。鍵となるのは人材であり、優秀な軍人・技術者を組織内にとどめるためには、軍が先端技術を牽引する場として機能する必要があるとした。
有事における市民の行動についても言及があった。姜氏は、最も近く、迅速に移動できる「地下空間」が一次的に最も安全であると述べた。地下駐車場や地下鉄施設など、堅固に建設された空間は、ミサイル攻撃に対する実効性のある避難場所となり得ると説明した。
最後に姜氏は、最前線で任務にあたる現役兵士に向け、「自らの任務に誇りを持ち、守るべき価値のために目標に向かい続ける姿勢こそが重要である」と強調した。















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