奇跡の生存、妊娠21週1日で生まれた世界最年少の生存新生児
アメリカ・アイオワ州で、出産予定日より133日も早く生まれた赤ちゃんが、無事に1歳の誕生日を迎えた。

ギネス・ワールド・レコーズは24日、ナッシュ・キーン(Nash Kien)君が2023年7月5日に妊娠21週1日で誕生し、世界最年少の生存新生児として公式に記録されたことを発表した。これまでの記録を1日更新し、史上最も早く生まれて生き延びた赤ちゃんとなった。
出生時の体重はわずか285gで、一般的な中くらいの桃よりも軽く、身長はわずか24cmしかなかった。極めて未熟な状態で誕生したナッシュ君は、人工呼吸器や経管栄養、補聴器などの医療支援を受けながら、生き延びるための闘いを続けた。母親が初めて抱きしめられたのは、生後3週間が経った頃だったという。
超低出生体重児見せた奇跡の生命力
ナッシュ君の母、モリー・キーンさんは「腕の中にいるのに、重さを感じられないほど小さかった」と、出産直後を振り返った。
だがその小さな命は、医療チームの懸命なサポートと家族の愛情に支えられ、少しずつ力を取り戻していった。

1歳の誕生日には、家族や親族が集まり、お祝いのパーティーが開かれた。ベビー服70着や知育玩具、おむつなどがプレゼントとして用意され、病院の許可を得てケーキも提供された。この小さな命の1歳の誕生日は、単なる祝福を超え、医療の奇跡を証明する特別な日となった。
主治医のエイミー・スタンフォード博士は、「妊娠21週での出産は、通常の早産児とはまったく異なるレベルの医療が求められる。毎日が生死の瀬戸際だった」と語った。
また「ナッシュ君は単なる記録保持者ではなく、早産児医療の新たなマイルストーンとなる存在だ。笑顔で成長する姿を見るたびに、私たちがこの仕事を続ける理由を思い出させてくれる」と、その成長の意義を強調した。
母親のモリーさんも「ナッシュを我が子のように支えてくれた医療スタッフには、感謝の気持ちでいっぱいだ。私たち家族も彼らに支えられてここまで来られた」と語った。
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