
19日夜、日本上空で強い光を放つ火球が観測され、そのエネルギーが広島型原子爆弾の約10分の1に相当することが分かった。
25日、『朝日新聞』は、米航空宇宙局(NASA)の分析を引用し、「19日午後11時8分に九州などで目撃された火球のエネルギーは、日本で確認された火球として1988年に統計を取り始めて以来最大規模だった」と報じた。
NASAによると、今回観測された火球が爆発時に放出したエネルギーは1.6キロトンで、広島型原爆(16キロトン)の約10分の1に相当するという。
落下地点は鹿児島県大隅半島の南東約80kmの海上と推定されている。当時、近畿、四国、九州など西日本の広い範囲で巨大な流星が明るく落下する様子が目撃され、インターネット上でも相次いで報告が寄せられた。

2020年11月にも東海や近畿地方で火球が観測されたが、その際の規模は0.073キロトンにとどまっていた。
神奈川県平塚市博物館の藤井大地学芸員は、長崎県での定点観測カメラの映像を解析した結果、「火球は秒速21km、角度58度で大気圏に突入し、鹿児島県南東沖に落下した可能性がある」と説明した。
藤井学芸員は、今回のような火球が都市部に衝突した場合について「直撃による被害に加え、衝撃波によって一定範囲内でガラスが割れるなどの被害が発生する可能性がある」と指摘した。
日本スペースガード協会の浅見敦夫事務局長は、この火球を「直径2~3mの小惑星」と推定した。「空中での爆発エネルギーが原爆の10分の1に匹敵するとしても、地上での被害は原爆ほど大きくはなかっただろう」としつつ、「この規模の火球を事前に発見するのは難しい」と述べた。
火球は、地上から肉眼で見える惑星よりも明るい流星で、金星の見かけの明るさ(約マイナス4等級)を上回る輝きを放つ。
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