トランプ政権の意外な実像
性的少数者の高官が相次ぎ登用
ベセント財務長官、グレネル特使らがカミングアウト
トランプ大統領は同性愛に寛容

トランプ第2期政権は性的少数者の権利保護に否定的な姿勢を取っていたが、高官の中には同性愛者が複数いた。
『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』は26日(現地時間)、「ドナルド・トランプの巨大ゲイ政府」と題する記事で、今年1月に発足したトランプ第2期政権に男性同性愛者の高官が目立っていると報じた。また「Aゲイズ(A-Gays)」と呼ばれる私的会合が新たな権力集団として注目されていると伝えた。
NYTによれば、集団の多くは自らの性的指向を公にし、トランプ大統領の下で働くことを誇りとしている。国防総省、国務省、ホワイトハウス、ケネディ・センターに至るまで、ワシントン全域で影響力を持つと評価された。
米政府内における同性愛の歴史を研究するジャーナリストのジェームズ・カーチック氏はNYTに対し、トランプ政権以前の共和党内閣であるジョージ・W・ブッシュ政権を例に挙げ、「当時も高官に同性愛者はいたが、極めて慎重に隠さざるを得なかった。本人の意思に反して性的指向が公になることも多かった」と説明した。
さらに「トランプ大統領自身が変化の主要な要因であることは明らかだ。彼は同性愛者と共にいることを受け入れている」と述べた。
トランプ政権内で影響力のある同性愛者官僚として最も注目されているのは、スコット・ベセント米財務長官だ。ベセント長官は同性パートナーのジョン・フリーマンと共に、代理母出産で生まれた2人の子どもを育てている。
トランプ第1期政権で駐ドイツ大使や国家情報長官(DNI)代行を務めた経歴を持つリチャード・グレネル北朝鮮担当特使、ジェイコブ・ヘルバーグ国務次官補も、いずれも同性愛者であることを公にした。
当時もグレネル大使らカミングアウトした同性愛者の官僚はいたが、現在ほど多くはなかった。NYTは「政界のアウトサイダー」であったトランプ大統領が、伝統的な共和党人士を中心に政権を構成せざるを得なかったと指摘した。マイク・ペンス前副大統領らキリスト教保守派を重用し、彼らに配慮せざるを得なかったという。
しかし、昨年の大統領選を経て、共和党の主流はトランプ大統領に忠誠を誓う「MAGA(Make America Great Again)」勢力へと移行し、状況は一変した。道徳的保守を重視する勢力の人事への影響力は相対的に低下し、トランプ大統領の判断が人事を左右する構図となった。
トランプ大統領は同性愛への抵抗感が薄いことで知られている。リアリティ番組「アプレンティス」の司会を務めていた当時、出演者に同性愛者かどうかを尋ねた後、「自分はステーキが好きだが、誰かはスパゲッティが好きだ。だからメニューがあり、世界は成り立っている」と語り、多様性を肯定する冗談を述べた。
同性愛者の官僚たちは「我々の存在が、トランプ大統領の同性愛に対する友好的な姿勢を示している」と説明した。
ただしNYTは、トランプ大統領が「多様性・公平性・包摂性(DEI)」など進歩的議題の排除を掲げ、性的少数者の権利を制限する政策を実施したことは事実だと指摘した。トランプ第2期政権発足後にはエイズ予防予算が削減され、ピート・ヘグセス国防長官が同性愛者人権活動家ハーヴェイ・ミルクの名を冠した軍艦の名称変更を指示した。
性的少数者の間でトランプ大統領を支持する人々が依然少数派であるのも事実だ。特に民主党寄りのワシントンでは「トランプ政権で働く同性愛者」と知られると、同じ同性愛者の集団からも歓迎されないという声がある。
MAGA支持者でケネディ・センター勤務の同性愛者ケイシー・フローレスは「同性愛者に最も厳しいのは他の同性愛者だ」と語り、「左派の同性愛者は、トランプ大統領が同性愛者に好意的である事実を受け入れられない」と述べた。
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