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「大食い大国」は終わり?米レストランで“スーパーサイズ”が消えるワケ

望月博樹 アクセス  

引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Pixabay*この画像は記事の内容と一切関係ありません

米国外食業界では、数十年にわたり維持してきた「大容量」戦略を見直し、料理の提供量を減らす動きが広がっている。記録的な物価上昇による原材料費の負担増に加え、肥満治療薬の普及による消費者の食習慣の変化が重なった結果とみられる。

18日(現地時間)、英紙のフィナンシャル・タイムズは、米国内の主要外食チェーンが1人前の分量を調整したメニューを相次いで導入していると報じた。報道によると、全米に200店舗以上を展開するアジア料理フュージョンチェーンの「P.F. Chang’s」は昨年、従来のメインコースに量を抑えた「ミディアム」サイズの選択肢を新たに追加し、顧客の多様な注文ニーズに対応しているという。

チキンファストフードブランドのKFCも、こうした変化の流れに加わっている。KFCを運営する「Yum! Brands」のクリス・ターナーCEOは今月初め、アナリスト向け説明会で「米国内の約4,000店舗で商品のサイズを見直し、調理方法の最適化を進めている」と明らかにした。

また、シーフード専門チェーンの「Angry Crab Shack」や、イタリア料理チェーンの「Olive Garden」も最近、主要メニューの提供量を縮小したり、量を抑えたランチメニューを導入したりすることで、価格のハードルを下げている。

ニューヨークの高級イタリアレストランTUCCIは昨年、肥満治療薬を使用する顧客向けに「オゼンピックメニュー」の提供を開始した。通常メニューではミートボールを3個提供しているが、この特別メニューではミートボールを1個のみに減らし、価格も通常の約3分の1強に抑えて提供している。

市場調査会社のBlack Box Intelligenceによると、外食業界では最近5カ月連続で来店客数と売上高が減少している。これは、生活費の高騰により消費者の節約志向が強まっていることを反映したものとみられる。

一方、飲食店側も牛肉価格が過去最高水準に達するなど、食材費に加え、エネルギー費や人件費の上昇というコスト圧力に直面している。さらに、ウゴービやオゼンピック、ゼップバウンドといった「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる肥満治療薬の普及も、大きな影響を与えている。シンクタンクのランド研究所は、米国人の約12%がこれらの薬を使用していると推計している。

調査会社のモーニング・コンサルトによると、これらの薬を使用している人は、食欲を抑える効果により外食の頻度を減らすだけでなく、外食時にも通常より少ない量を注文する傾向が顕著であることが分かった。

スープやパン、サラダを無制限に提供するイタリア料理チェーン「Olive Garden」は、先月から米国内の約900店舗で既存メニュー7種類の提供量を縮小している。

オランダに本社を置く投資銀行のラボバンクで消費者食品分野のアナリストを務めるJP・プロサード氏は、こうした飲食店の取り組みについて、注文単価を引き下げることで顧客の来店を促す効果が期待できるほか、肥満治療薬の普及による消費行動の変化への対応としても有効だと指摘した。

米国では、国民が摂取する食事量が他国に比べて多いとの認識が広く浸透しており、統計でもこうした傾向が確認されている。2024年に学術誌の「Foods」に掲載された論文によると、米国人が消費する食事の分量は、フランス人に比べて約13%多いことが明らかになった。

これまで公衆衛生の専門家らは、米国における過大な食事提供量が食品廃棄の増加や肥満問題の深刻化を招いていると、長年にわたり指摘してきた。第二次世界大戦後、産業化の進展に伴い、穀物や小麦、砂糖、肉類、油脂などの価格が下落する中、20世紀を通じて米国の消費者が摂取する1人前の分量は増加を続けてきた。

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