
数千年前に星から放たれた光が、人類の最先端の宇宙望遠鏡と出会い、これまでになく鮮明な姿を現した。地球から約4,400光年離れた場所にあるキャッツアイ星雲(NGC 6543)だ。星雲中心部の楕円形の構造と、それを取り囲むガスの殻が、縦に細長く裂けた猫の瞳のように見えることから、この名前が付けられた。
「アメリカ航空宇宙局(NASA)」のハッブル宇宙望遠鏡と、「欧州宇宙機関(ESA)」のユークリッド宇宙望遠鏡が協力して観測したこの画像は、星の死が単なる消滅ではなく、新たな創造へとつながる過程であることを改めて示している。
キャッツアイ星雲は、天文学の世界でも最も複雑な構造を持つ惑星状星雲として知られている。惑星状星雲とは、星が生涯の最終段階で放出したガスが球状に広がって形成された天体だ。こうした惑星状星雲の正体を初めて明らかにした天体の一つが、このキャッツアイ星雲だった。1864年、英国の天文学者ウィリアム・ハギンズは、光を波長ごとに分解する分光器を用い、星雲が星の集まりではなく、星から放出されたガスの雲であることを初めて確認した。
今回の観測の最大の特徴は、性質の異なる二つの宇宙望遠鏡の連携にある。まず、30年以上にわたり宇宙を観測してきたハッブル宇宙望遠鏡は、星雲の中心部に焦点を当てた。ハッブルが捉えた中心領域には、猫の瞳のような同心円構造のほか、高速で噴き出すガスジェットや、衝撃波によって集まったガスの塊が見られる。これらは、まるで玉ねぎを横に切ったような層状構造を形成している。
科学者たちは、この構造が中心の星から約1,500年周期で物質が噴出してきたことを示す、いわば化石のような記録だと説明している。一方、暗黒エネルギーの観測を主目的とするユークリッド宇宙望遠鏡は、広い視野で星雲全体を捉えた。その結果、中心部を大きく取り囲む淡いガスの後光(ハロー)を観測することに成功した。
このハローは、現在見えている星雲が形成されるより前、つまり星が最終段階に入るはるか以前に宇宙空間へ放出されたガスと考えられている。ユークリッドはさらに、星雲の背後に広がる数千の銀河も同時に捉えており、広大な宇宙のスケールをより鮮明に示している。
天文学者たちは、キャッツアイ星雲の複雑な構造は、中心の星が単独ではなく連星系(二つの星が互いの周囲を回るシステム)である可能性を示していると考えている。二つの星の相互作用がガスの流れを乱し、現在見られるような奇妙で美しい対称構造を生み出した可能性があるという。大量の物質を宇宙へ放出する星の最終段階は、次の世代の星が誕生するための材料を宇宙に供給する過程でもある。

















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