
中東情勢の緊迫化に伴い、原油供給への不安が国内の生活物価に波及している。特にホルムズ海峡の封鎖懸念により、日本で身近な果物であるバナナの供給網にも影響が及ぶとの懸念が広がっている。
20日の報道各紙によると、原油由来の基礎原料であるナフサの不足が、物流や加工品へ悪影響を及ぼすリスクが指摘されている。日本に輸入されるバナナの多くは、未熟な状態で輸入された後、国内でエチレンガスを用いて熟成させる。このエチレンガスはナフサを原料とするため、原油供給が滞れば熟成工程そのものが停滞する可能性がある。輸入業界では、バナナの出荷遅延や、輸入量を確保できても店頭への供給が滞るリスクを警戒している。
同様の影響は追熟が必要なキウイやアボカドなど、他の輸入果物にも波及する可能性があり、食卓の物価全体への影響が懸念されている。
■ 「デザートから医療まで」…ナフサ依存の経済構造 影響は食品分野にとどまらない。菓子類に使用されるバニリンなどの合成香料もナフサ由来の化学物質から製造されるケースが多く、供給の不安定化は低価格帯の食品全般に対する値上げ圧力となる。
さらに懸念されるのが医療分野への波及だ。注射器や医療用手袋など、多くの医療機器はナフサを原料とするプラスチックに依存している。政府はすでに医療用手袋の備蓄の一部を放出する方針を示しているが、供給不安が長期化すれば現場への負担増は避けられない。
専門家は、地政学的緊張が緩和されても、原油価格の上昇は当面続く可能性があると予測する。日本の石油備蓄水準は現時点では維持されているものの、一定水準を下回れば買いだめなどの「パニック需要」が発生し、流通網全体が混乱に陥るリスクがあると指摘されている。














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