
米航空宇宙局(NASA)の実験用航空機X-59が初めて超音速飛行に成功した。X-59は、超音速で飛行しながらも、地上に届く大きな衝撃音である「ソニックブーム」を最小限に抑えるよう設計された機体である。今回の飛行は低騒音性能検証のための初の超音速飛行を達成したもので、本格的な技術実証が始まる。
NASAは5日(現地時間)、カリフォルニアのエドワーズ空軍基地で行った試験飛行でX-59が最高マッハ1.1(時速約1,147km)、高度4万3,400フィート(約13.2km)で超音速に達したと公式発表した。飛行は午前11時8分(米太平洋時間)に始まり81分間続き、NASA試験操縦士ジム「クルー」・レス氏が操縦した。
ソニックブームは航空機が音速を超えて飛行する際に発生する衝撃波が地上に達することで生じる大きな音だ。過去に超音速旅客機コンコルドはソニックブームと高い運用コストの問題から2003年に退役し、その後超音速商業飛行は事実上中断された状態だ。
X-59は機首を長く設計し衝撃波を分散させる方式でソニックブームを低減するよう設計されている。NASAは遠くの雷鳴や約6m離れたところで自動車のドアが閉まる程度の騒音レベルを目標としている。
X-59は2025年10月28日に初飛行を行った後、約90日間で16回の試験飛行を実施し、速度と高度の範囲を段階的に拡大した。NASAはこの過程で機体の飛行性能と操縦特性、装置の動作状態を点検した。
NASA長官のジャレッド・アイザックマン氏は、公式発表文で数日内にマッハ1.4(時速約1,488km)まで速度を上げる次の段階に入ると述べた。NASAはこれを「任務条件飛行」と呼んでいる。高度は約5万5,000フィート(約16.8km)に達する予定で、この速度と高度は今後X-59がアメリカ国内の地域社会上空を飛行する際の基準条件となる。
現在NASAは、様々な速度と高度で機体性能と飛行特性を確認する試験を進行中だ。この段階が終わるとX-59が実際にどれだけ静かであるかを測定する騒音検証試験に入る。その後アメリカ国内の地域社会上空を飛行し、住民を対象に騒音認識調査も行う計画だ。
NASAは、このデータをアメリカと国際規制機関に提供し、陸上超音速商業飛行のための騒音基準の策定に活用する計画だ。













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