引用:SNS
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ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンは全てノーベル平和賞候補者だった。

戦争史専門家のクラウディア・メンデス氏はこう説明する。

毎年ノルウェー科学アカデミーに候補として推薦される人物は、多い時で300人に達する。スウェーデン・アカデミーはこの中から20~30人に絞り込むが、最初に推薦された候補者リストは50年間一般に公開されない。

つまり、毎年公表される候補のリストは想像以上に長く、その中には問題視される人物も含まれている。候補推薦資格は一部の国の国会議員、各国政府、大学教授、アカデミーの元顧問委員および過去の受賞者に与えられる。

このような事情から、ムッソリーニは1935年にエチオピアを侵攻し、イタリア産業の3分の2を国有化したにもかかわらず、その年の平和賞候補に推薦された。

ムッソリーニの推薦はドイツの法学教授1名とフランスの教授によって行われたという。しかし、その年のノーベル平和賞はドイツの再軍備に反対したドイツ人のカール・フォン・オシエツキー氏に授与された。アカデミーは候補推薦書を必ず保管することになっているが、唯一ムッソリーニに関する推薦書は紛失しており、推薦理由は不明だ。

ヒトラーが候補に推薦されたのは1939年で、スウェーデンのE G C ブラント国会議員によるものだった。

ブラント議員はヒトラーを推薦した理由について、イギリスのチェンバレン首相の受賞を阻止するためだったと明かしている。当時チェンバレン首相は、ミュンヘン協定(1938年)締結の功績で多くの推薦を受けていた。ブラント議員はチェンバレン首相のミュンヘン協定には多くの欠陥があり、結果的にドイツのチェコ侵略の口実となったと主張したとされる。

しかし、ブラント議員は、この説明を一般人が納得しないと考え、候補推薦の撤回を試みた。だが彼の推薦は有効とされ、推薦書は引き続きアカデミーに保管されている。ヒトラーがノーベル平和賞を受賞する可能性は低かったが、その年、第二次世界大戦が勃発し、アカデミーは授賞自体を取り消した。

共産革命後、多くの自国民を粛清し強制収容所送りにしたヨシフ・スターリンは、ノーベル平和賞候補に二度も名を連ねた記録を持つ。

最初の候補指名は1945年、ノルウェーの元首相で歴史学者のハルブダン・コート氏によるものだった。コート氏がスターリンを指名した正確な理由は不明だが、政治的動機だったと推測される。ソ連はドイツの侵略からノルウェーの領土回復を助け、当時の連合国メディアでもスターリンのイメージは悪くなかったという。しかし、1945年の受賞者はアメリカのコーデル・ハル国務長官に決まった。

スターリンへの二度目の候補指名は1948年、チェコスロバキアの大学教授ブラディスラフ・リーガー氏によるものだった。リーガー教授の推薦理由は、ソ連が第二次世界大戦中にドイツの占領からチェコを解放したことへの感謝の念が依然として強かったこと、また当時ソ連が東欧に強大な影響力を及ぼし始めていた時期だったことに起因すると考えられる。しかし、1948年のノーベル平和賞はスターリンに授与されることなく、選考自体が取り消された。

ノーベル平和賞は1901年に制定され、これまでに計19回授賞が取り消された記録がある。

筆者がノーベル平和賞120年の歴史で最も意外な受賞者を挙げるとすれば、アメリカのバラク・オバマ第44代大統領だろう。

当時オバマ大統領は大統領就任からわずか8ヶ月しか経っておらず、本人も非常に驚いたと率直に語っている。オバマ大統領は賞金全額(140万ドル、約2億1,320万8,400円)を慈善団体に寄付する謙虚な姿勢を見せた。

オバマ大統領の受賞はアメリカの現職大統領としては3人目(セオドア・ルーズベルト、ウッドロー・ウィルソン、バラク・オバマ)で、他にジミー・カーター元大統領が大統領退任後、アル・ゴア氏も元副大統領としてこの賞を受賞している。

上記のノーベル平和賞候補者たちに関する内容を知ると、劇作家のジョージ・バーナード・ショー氏が「人間の皮を被った悪魔だけがノーベル賞なるものを発明できる」と皮肉った理由が理解できる気がする。ただしショー氏も、1925年にノーベル文学賞を受賞した後は、この件については沈黙を守った。

望月博樹
望月博樹

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