
ドナルド・トランプ米大統領は、最近自身が恩赦を与えた世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの創業者、趙長鵬(チャンポン・ジャオ)氏について「誰なのかよく知らない」と述べ、見返り目的を否定している。
報道によると、トランプ米大統領は2日に放送されたCBSのインタビューで、「2023年に資金洗浄防止法違反を認めた趙長鵬氏をなぜ恩赦したのか」と問われ、「彼が誰なのか知らない。ただ、4カ月の刑を受けたと聞いただけだ」と語っている。
さらにトランプ米大統領は「それはバイデン前大統領による“魔女狩り”だったと聞いている」と述べ、ジョー・バイデン前大統領が政治的な目的で趙氏を弾圧したとの見方を示した。
また、「私の息子たちは、私よりも暗号資産に詳しい」としたうえで、「私は暗号資産についてほとんど知らないが、一つだけ分かっているのは、これは巨大な産業だということだ。もし我々がその先頭に立たなければ、中国や日本など他の国々がその地位を奪うだろう。だからこそ、私はこの産業を100%支持している」と強調している。
バイデン政権下で、司法省はバイナンスに対し、過去最大となる43億ドル(約6,626億円)の罰金と厳格な監督措置を科した。
当時、司法省はバイナンスが制裁対象団体や犯罪組織の違法資金を数十億ドル規模で洗浄するなど、資金洗浄の温床になっていたと指摘していた。
しかしトランプ米大統領は先月22日、この資金洗浄容疑などで有罪判決を受けた趙氏を赦免した。
キャロライン・レビット報道官は赦免後のブリーフィングで、「民主党がこの措置を“腐敗行為”と批判している」との質問に対し、トランプ米大統領は「バイデン政権による暗号資産への弾圧で起訴された趙氏を赦免し、憲法上の権限を行使した」と述べたと説明している。
趙氏は、ワールド・リバティ・ファイナンシャルの共同創業者ザック・ウィトコフ氏の友人であり、ザック氏の父スティーブ・ウィトコフ氏はトランプ米大統領の中東特使を務めている。
ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、トランプ米大統領の息子たちが共同創業者として名を連ねる企業となっている。
趙氏はX(旧Twitter)への投稿で「本日の赦免、そして公正・革新・正義を重んじる米国の意志を支持してくださったトランプ米大統領に深く感謝する」と述べ、「米国を暗号資産の中心地にするため、全力を尽くす」と語っている。
トランプ米大統領は今年3月にも、資金洗浄防止法違反を認めた暗号資産取引所BitMEXの共同創業者アーサー・ヘイズ氏を赦免している。















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