
より強硬で粗野さを増したトランプ大統領の一方主義と強圧外交の暴走が、さらに加速している。
今月20日(現地時間)で再就任から1年を迎えるドナルド・トランプ米大統領は、「米国第一主義」を前面に掲げた強硬路線を一段と強めている。世界経済を不確実性と混乱の渦に巻き込んだ関税戦争に続き、新年早々にはベネズエラに対して実力行使に踏み切り、力の外交を誇示した。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束したほか、グリーンランドやメキシコへの軍事力投入の可能性にも言及。「新帝国主義復活」への懸念が広がる中、利益のためなら手段を選ばない姿勢をためらいなく示している。
こうしたトランプ大統領の一方主義は、いっそう顕著になっている。ベネズエラでの軍事作戦後、西半球の複数の国々に対し、露骨な警告メッセージを発信した。ホワイトハウスは3日、「X(旧ツイッター)」や「インスタグラム」にトランプ大統領の写真とともに「FAFO」という文言を投稿。限度を超えれば代償を払うことになる、との意味合いだ。
忠実な同盟国であり、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国でもあるデンマークに対しては、グリーンランドの譲渡を求め、武力行使も辞さない構えで圧力を強めている。トランプ大統領は9日、「ロシアや中国にグリーンランドを支配させるわけにはいかない、自分たちが取らなければ彼らが取ることになる」と述べ、編入への強い意欲を明確にした。ホワイトハウスもこれを公式に認め、トランプ大統領の強硬姿勢を後押ししている。
さらにトランプ大統領は、8日に報じられた「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」のインタビューで、国際法は必要ないと発言。自らの道徳観こそが国際問題への介入を制御する唯一の基準だと述べ、力による外交路線を改めて鮮明にした。
西半球の安全を最優先し、「世界の警察役」から退くとする新モンロー主義、いわゆる「ドンロー・ドクトリン」の強硬姿勢も、今後さらに加速する見通しだ。その結果、北東アジアを含むアジア太平洋地域で安全保障の空白が生じるとの懸念が高まり、韓国や日本、欧州連合(EU)など米国の同盟国は、緊急対応策の策定に苦慮している。
米イェール大学のマイケル・ブリンズ教授は今月初め、米誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で、トランプ大統領の価値観を欠いた取引重視の外交によって、第二次世界大戦後に築かれてきた規則に基づく国際秩序は終焉を迎えたと指摘。世界は、複数の強大国が覇権を競い合っていた19世紀に近い状況へと後退していると評価した。
再就任から1年。トランプ大統領は、同盟国であっても例外なく高関税を課す関税戦争と保護主義の復活で世界経済を不確実性の泥沼に引きずり込んできた。今年は各国が約束した対米投資の履行状況を厳しく点検し、圧力を強める構えだ。日本、韓国、EUは、関税引き下げの見返りとして、それぞれ3500億ドル(約55兆4,020億円)、5500億ドル(約87兆529億円)、6000億ドル(約95兆円)規模の対米投資を実行する重い負担を抱えている。
トランプ大統領就任前に2.4%だった米国の平均関税率は、昨年末には16.8%まで急上昇。世界の金融市場の不透明感を高め、過去80年にわたり維持されてきた自由貿易秩序は事実上崩壊した。11月の中間選挙を控え、トランプ大統領がさらに保護主義色を強める政策に踏み切るとの警戒感も強い。ユーラシア・グループは、今年の「年次リスク報告書」で「トランプ政権は、米国内外を直接統制しようとしている」と分析した。
















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