
中国および香港の景気低迷を背景に、家具大手のイケア(IKEA)や英国の高級茶ブランド、フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum&Mason)など、海外の著名ブランドが相次いで店舗を閉鎖している。閉店に伴う「投げ売り」に近いセールには数百人の客が殺到し、現地の深刻な個人消費の冷え込みと実店舗の苦境を浮き彫りにした。
7日付の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」などによると、イケアは中国国内の計7店舗の閉鎖を決定。また、香港に拠点を置くフォートナム・アンド・メイソンの旗艦店も閉店を発表した。現地のSNSには、イケア店舗前に長蛇の列ができる様子や、目玉商品を巡って客同士が小競り合いを起こす緊迫した場面が投稿されている。
最大60%の割引セールを実施したフォートナム・アンド・メイソンの香港店舗では、先週末に数百人の買い物客が押し寄せた。来店したエルビン・チャン氏は「妻と一緒にお茶やビスケットを買いに午前11時に来たが、2時間も並んだ。ティーバッグの多くはすでに売り切れていたが、大幅な割引価格で購入できた」と語った。
こうした状況について、北京長江大学のパン・シンウィ助教授は「急速に拡大したオンラインショッピング市場と本土の景気停滞が重なり、コストの大きい実店舗の生存空間が急速に縮小している」と指摘。外資系ブランドにとって、賃料や人件費の高い大型店舗の維持が限界に達しているとの分析を示した。
一方で、イケアは郊外の大型店舗を整理する一方で、利便性の高い都市型小型店舗の展開へ舵を切る方針だ。パン助教授は「特定の顧客層のニーズを的確に捉え、オンラインでは得られない体験型サービスを提供する形態への転換を図っている」との見方を示している。
中国市場では、高級ブランドから日用品まで実店舗の淘汰が進んでおり、今後はブランドの認知度だけでなく、オンラインと融合した新たなビジネスモデルへの適応が生き残りの鍵を握ることになりそうだ。













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