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「ワシントン・ポストでも社員大幅リストラ」名門新聞が突きつけた“生き残り”と報道の終焉

荒巻俊 アクセス  

引用:depositphotos
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アメリカの有力紙ワシントン・ポストが、コスト削減と報道戦略の再編を目的に、全社員の約3分の1を削減する。ニュースルームを含む全社的な構造改革となり、数百人規模の雇用が失われる見通しとなった。

4日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やニューヨーク・タイムズ(NYT)などによると、今回の削減はスポーツ、国際、テクノロジー、速報部門を含むほぼ全ての編集部門の記者に加え、ビジネス部門や技術部門の社員にも及ぶ。外信各社は、全社員の約30%に当たる300人前後が対象に含まれる可能性があると伝えたが、ニュースルームの具体的な削減規模は明らかにされていない。

再編に伴い、同紙は現在の形のスポーツ部門を廃止する。ただしスポーツ報道そのものを完全にやめるわけではなく、一部の役割と人員は残す方針だ。国際報道も比重を落とし、代わりとして国内ニュースや政治報道、企画・特集、探査報道、健康・ウェルビーイング関連の情報提供に重点を移す。NYTは、地域・国際の比重を縮め、全国的なテーマを中心とする報道体制へ組み替える動きだと報じた。

マット・マレー編集局長はWSJの取材に、海外特派員の拠点は約10か所を維持しつつ、国家安全保障に直結する案件に焦点を当てると説明した。読者の反応が特に明確に表れる領域だとも述べた。

組織の見直しは報道部門全体に広がる。都市ニュース(メトロ)面は再編し、書評・書籍関連のセクションは廃止するほか、自社制作のポッドキャストも打ち切る。マレー局長は社内メモで、映像部門が情報消費の変化に十分追随できていないと指摘し、近年は日々の記事本数が減ってきた点にも触れた。

さらにマレー局長は、自分たちは優れた報道を数多く生み出してきた一方で、特定の視点や特定の読者層に偏って発信してきた面があると振り返り、読者がいる場所へ出ていく必要があると語った。人々が実際に関与し、反応する報道を行うべきだとも強調した。

構造改革の背景には財務状況の悪化がある。WSJによれば、同紙は2023年に7,700万ドル(約121億円)、2024年には1億ドル(約157億円)の損失を計上した。会社側は、直近3年間で検索流入がほぼ半減したとしており、GoogleグーグルやFacebookなど主要プラットフォームからの流入減が響いたとの見方が出ている。NYTは、生成AIの普及などでオンライン検索の環境が変わったことも影響したと伝えた。

ウィル・ルイス最高経営責任者(CEO)は、2026年末までの黒字転換を目標に掲げている。ルイス氏は2023年末、経営立て直しのために、WSJの発行元ダウ・ジョーンズのCEO経験者として招かれた。マレー局長は翌2024年に加わっている。

一方で、発表前後には社内の反発も続く。ここ数週間、海外特派員や地域担当の記者、ホワイトハウス担当記者らが、オーナーのジェフ・ベゾス氏に雇用維持を求める公開書簡を出した。約60人の海外特派員と契約記者が署名した書簡では、取材経験の深い人材を減らせば、将来の重大ニュースへの対応力が弱まる恐れがあると指摘した。

同紙は近年、希望退職や人員削減を繰り返してきた。2024年秋には大統領選直前、ベゾス氏が事前に用意されていたカマラ・ハリス副大統領支持の社説を撤回したことで議論を呼び、その後短期間で25万人以上の購読者が離れたとも伝えられている。

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