
習近平中国国家主席は、国際連合(国連)の役割を守る考えを示した。ドナルド・トランプ米大統領が発足させた「平和委員会」が、事実上国連に取って代わる組織になりかねないとの見方が広がる中、これを牽制する狙いがあるとみられる。
中国国営の「中央テレビ(CCTV)」によると、習主席は23日(現地時間)、ブラジルのルーラ大統領との電話会談で、「歴史の正しい側にしっかりと立ち、両国およびグローバルサウスの共通の利益、国連の中核的な地位、国際社会の公正と正義を共に守る必要がある」と述べた。
習主席は、国際情勢が不安定さを増す中で、新興国・途上国を中心とするグローバルサウスの中核メンバーである中国とブラジルは、世界の平和と安定を守り、国際社会の運営改善に貢献できる建設的な存在だと強調した。さらに、中国の「一帯一路」構想と、ブラジルの農業・インフラ・エネルギー分野の政策連携を成功例として挙げ、「中国は常にラテンアメリカ・カリブ諸国の良き友人であり、パートナーとして中国・ラテンアメリカ共同体の構築を進めていく」と述べた。
これに対し、ルーラ大統領は「ブラジルと中国は多国間主義を守り、自由貿易を維持する重要な勢力だ」としたうえで、「中国と緊密に協力し、国連の権威を守るとともに、BRICS(新興5カ国枠組み)の協力を強化し、地域および世界の平和と安定に貢献していく」と応じた。
ルーラ大統領は「習主席の2024年のブラジル国賓訪問は、両国関係を『運命共同体』のレベルへと引き上げた」と評価し、「中国と共に、二国間関係およびラテンアメリカと中国の関係を一層発展させていきたい」と述べた。
トランプ米大統領は22日、世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)が開かれているスイス・ダボスで、自身が事実上、終身議長を務める「平和委員会」を正式に発足させた。署名式でトランプ氏は、「国連と協力して平和委員会を運営し、両者の結合は世界にとって非常にユニークな相乗効果をもたらす」と強調した。
一方で、西側諸国の間では、トランプ大統領が国連を事実上押しのけ、自身の意向で動かせる紛争解決のための国際機関を新たに設けたとの見方が強く、冷ややかな反応も出ている。米国と覇権を競う中国にとっても、安全保障理事会の常任理事国として拒否権を行使できる現行の国連体制を、米国が単独で議長を務める平和委員会に置き換える理由はない。
平和委員会は、トランプ氏が昨年9月に発表したガザ地区の平和構想20項目に初めて盛り込まれたもので、当初は過渡期にあるガザ地区を管理するための暫定的な機関と位置づけられていた。国連安全保障理事会も、平和委員会に対し「2027年までのガザ地区管理任務」を限定的に付与する決議を採択している。
しかし、米ニュースサイト「アクシオス」などによると、平和委員会の憲章草案からはガザ地区への言及が削除された。そのうえで、「紛争地域の安定を促進し、正当で信頼できる統治の回復を支援し、持続的な平和の確保を目指す国際機関」とする一般的な目的が盛り込まれた。こうした内容から、事実上、国連に取って代わる機関になりかねないとの見方が出ている。
















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