トランプ大統領、イランの高濃縮ウラン約450キロ押収へ軍事作戦を検討

米国のドナルド・トランプ大統領が、イランの保有する1,000ポンド(約450キログラム)の高濃縮ウランを確保するための軍事作戦を検討していると、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が29日に報じた。
米当局者によると、この作戦が実行されれば、米軍は敵地に当たるイラン領内に数日、あるいはそれ以上にわたって駐留する必要がある。トランプ大統領は、米軍が直面する危険性を踏まえて命令を慎重に検討しているものの、全体としては軍事作戦の実行に傾いていると伝えられている。
トランプ大統領は側近に対し、終戦条件の一つとしてイランに高濃縮ウランの放棄を迫るよう指示したとされる。さらに、イランにこの物質を保有させ続けることはできないとして、交渉が決裂した場合には武力で押収する案も協議したという。
イランは昨年6月までに、60%まで濃縮したウランを400キログラム超、さらに90%の兵器級ウランへ比較的容易に転換できる20%濃縮の核分裂性物質を約200キログラム備蓄していたとみられている。国際原子力機関(IAEA)は、これらがイスファハンの地下トンネルやナタンズの貯蔵施設などに分散保管されていたと把握している。専門家は、イランが今もウラン濃縮用の遠心分離機を保有し、新たな地下濃縮施設を建設する余力も残しているとみている。
軍事専門家は、このウラン搬出作戦について、極めて複雑で危険性が高く、トランプ大統領が命じる任務の中でも最も難度の高い部類に入るとみている。作戦が下令されれば、米軍はまずイランの地対空ミサイルやドローン攻撃をかいくぐって核施設に入らなければならない。周辺の警戒を戦闘部隊が担う一方で、工兵部隊は残骸を掘り起こし、地雷の除去に当たる必要がある。
核物質の回収は、紛争地域で放射性物質を扱う訓練を受けた精鋭の特殊作戦部隊が担う見通しだ。高濃縮ウランは、スキューバ用タンクに似た特殊シリンダー40〜50本に収められている可能性が高く、これを輸送用の大型容器へ移し替えなければならない。そのためには複数のトラックが必要になり、装備の搬入と核物質の搬出に向けて仮設飛行場を新設する可能性もある。元米中央軍司令官のジョセフ・ヴォーテル氏は、これは決して短時間で入り、すぐに出てくるような作戦ではないと警告している。
この作戦は、トランプ大統領が当初示した4〜6週間という戦争期限を超えて長期化する可能性もある。今後の中間選挙を意識する政権内では、大統領に他の国政課題へ力点を移してほしいとの声も出ている。
もっとも、イランが交渉を通じてウランの引き渡しに応じれば、こうした高リスクの作戦は避けられる。米国は過去にも平和的な手段で海外からウランを搬出した前例がある。1994年にカザフスタンからウランを回収したプロジェクト・サファイア、1998年にジョージアの首都トビリシ近郊から英国と連携して高濃縮ウランを搬出した事例がそれに当たる。
トランプ大統領は複数の軍事オプションに備え、米国と日本に駐留していた海兵遠征部隊(MEU)2個部隊と第82空挺師団の兵力など、計約7,000人をイラン周辺に配置した。一部の米メディアは、これに加えて米国防総省が地上部隊1万人の追加派遣も検討していると伝えた。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、これらの部隊にまだ特定の任務は与えられていないとしつつ、ホルムズ海峡の防衛や、ペルシャ湾内の原油輸出の要衝であるカーグ島の占領、イラン国内での高濃縮ウラン確保作戦などに投入される可能性があると報じた。
トランプ大統領は同日、記者団に対し、イランは米国の要求に従わなければ国家を維持できなくなるだろうと述べたうえで、彼らは「核の塵」を引き渡すことになるとの見方を示した。トランプ大統領は27日のマイアミでの演説でもウランを「核の塵」と表現し、これこそが戦争の本質的な理由だと強調していた。
















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