38ノース「先月、村2か所が跡形もなく消えた」
米国が中東に注力する間に…金正恩氏、ICBM用新型エンジン試験
北朝鮮が核ミサイル・衛星発射拠点近くの村をを撤去した可能性が浮上した。イラン情勢を受けて地域の不確実性が高まる中、新たな安全保障上の懸念材料になるとの見方も出ている。

米シンクタンクのスティムソン・センター傘下の北朝鮮分析サイト「38ノース」は3日(現地時間)に公表した報告書で、北朝鮮西部沿岸にある西海衛星発射場の周辺に位置する2つの集落で、数百棟規模の建物が先月撤去されたと明らかにした。衛星画像の分析では、平安北道鉄山郡の慈江洞と長野洞の2つの村が地図上からほぼ消えたことが示された。
西海衛星発射場は2012年以降、北朝鮮が試みた7回の衛星打ち上げの拠点で、長距離ミサイルにも転用可能なロケット開発が進められてきた施設として知られる。38ノースのマーティン・ウィリアムズ上級研究員は報告書で、衛星や対衛星兵器が北朝鮮の新たな5カ年計画に盛り込まれている点を踏まえ「北朝鮮主要宇宙センターの拡張が進んでいる可能性がある」と分析した。
北朝鮮は今年2月、2026年から2030年を対象とする新たな国家発展戦略を打ち出した。追加の偵察衛星投入に加え、大陸間弾道ミサイル(ICBM)システム、AI無人攻撃システム、有事に敵国の衛星を攻撃するための特殊戦力などが重点課題に盛り込まれたとされる。この報告書は、北朝鮮が軍の戦略的打撃能力の向上に向け、新型固体燃料エンジンの試験を実施したと明らかにしてから数日後に公表されたもので、追加の偵察衛星投入を含む主要な戦略目標が盛り込まれている。
金正恩総書記は先月、炭素繊維固体燃料エンジン試験を視察した。北朝鮮は試験場所を明らかにしていないが、38ノースは国営メディアが公開した写真をもとに西海衛星発射場で実施された可能性が高いとみている。元米国務省高官でミサイル専門家のバン・バンディーペン氏は今回公表されたエンジンについて「昨年公開されたものより推力が約20%高く、ICBM向けである可能性が高い」と分析した。さらに「新旧エンジンとも推力向上の主な目的は、より重い弾頭搭載にある可能性が高く、戦略的に最も大きな意味を持つのは北朝鮮が多弾頭化に成功した場合だ」と指摘している。
西海衛星発射場の拡張が確認されれば、最近高まった地域の安全保障不安はさらに強まりそうだ。ドナルド・トランプ米大統領は日本や韓国を含む同盟国にホルムズ海峡の再開通に協力するよう圧力をかけている。トランプ大統領は韓国が数万人規模の米軍駐留によって北朝鮮からの防衛支援を受けていながら、ホルムズ海峡の再開放に向けた取り組みに協力していないと批判したことがある。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は南部基地からTHAAD(高高度防衛ミサイル)発射台の一部が移動したとの報道を受け、在韓米軍の防空資産が中東に再配置される可能性があることを認めている。ブルームバーグは、イランをめぐる軍事衝突が長期化すれば、米軍の重心がアジアから離れるとの懸念が広がっていると伝えた。
















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