出産直後に両目の視力が急激に低下…血漿交換治療で回復

出産2週間で視力をほぼ失った30代の女性が血漿交換治療で視力を回復したニュースが報じられた。
英紙デイリー・ミラーなどによると、コーンウォールに住むジェシカ・ケント・ヘイゼルダインさん(33)は2023年4月に第一子を出産して2週間が経過した頃、朝に目を覚ますと左目が見えないことに気づいたという。
最初は睡眠不足など育児による疲れだと思ったが、その後右目の視力も低下し、異常を感じて病院を訪れた。ヘイゼルダインさんはすぐにMRIと血液検査を含む精密検査を受けた。その過程で両目の視力が急激に低下した。
医療陣は初めは原因を特定できず、いくつかの治療を試みたが明確な効果は見られなかった。その後の追加検査で、ヘイゼルダインさんの血液内の抗体が視神経繊維を囲む保護膜を攻撃して損傷させていることが確認された。
これにより医療陣は血漿交換治療を決定した。血漿交換は患者の血液から液体成分である血漿を分離して除去し、ドナーの血漿に置き換える治療法で、自己抗体によって引き起こされる免疫学的異常反応を減少させるために使用される。
この治療は地域病院と血液・移植専門機関の治療的成分採集サービスの協力を通じて実施され、ヘイゼルダインさんは合計5回の治療を受けた。3回目を終えた頃から視力が回復するのを感じ、治療が終わった時点で全体的な状態が回復段階に入った。
現在、右目の視力は正常レベルに回復し、左目も元の視力の約75%まで回復している。一部の視野はまだぼやけているが、日常生活や育児には支障がない。
ヘイゼルダインさんは「血液と血漿を提供してくださったすべての方々に深く感謝します。そのおかげで治療を受けて再び目が見えるようになりました。条件を満たす方々が献血と血漿提供に協力していただければ、多くの患者さんの助けになると思います」と述べた。
出産後の視力低下、視神経脊髄炎や視神経炎と関連
ヘイゼルダインさんのケースのように出産直後に急激な視力低下が現れると、自己免疫性視神経炎や視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)などの炎症性脱髄疾患が疑われる。これらの疾患では免疫系の異常により視神経に炎症が生じ、神経信号の伝達が低下することで視力が急激に低下する可能性がある。
出産後には免疫系が急激に再活性化される「免疫反動」の現象が現れ、自己免疫疾患が発生する可能性がある。妊娠期間中に抑制されていた免疫反応が分娩後に再び活性化され、自己抗体の生成の増加や既存の免疫異常の悪化を引き起こすことがある。そのため視神経だけでなく中枢神経系全体に炎症が発生する可能性があり、実際に産後の時期に多発性硬化症や視神経炎の発症リスクが増加することが報告されている。
治療は免疫反応を抑制し、自己抗体を除去することに焦点が当てられる。高用量ステロイドが一次治療として使用され、反応がない場合や重症の場合は血漿交換治療が行われる。血漿交換は患者の血漿から病的抗体を除去し、ドナーの血漿に置き換えることで、抗体濃度を低下させて炎症反応を迅速に抑制する治療法だ。













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