原材料高が米自動車大手3社を圧迫し、関税並みの打撃となる可能性がある

イラン戦争による原材料価格の上昇と供給網の混乱が続く中、今年、米自動車大手3社が負担する追加費用は最大50億ドル(約7,881億円)に達する可能性があるとの見方が出ている。
現地時間2日、フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、ステランティスなどの米主要自動車メーカーは1〜3月期決算の発表で、そろって原材料インフレを主要リスクに挙げた。アルミニウムから半導体まで主要材料の価格が大幅に上昇し、コスト面の圧力が強まっているという。
GMは、物流費やDRAMメモリー半導体の価格上昇などを含む原材料インフレが、今年の利益を最大20億ドル(約3,152億円)押し下げる可能性があると試算した。これは昨年末の予想より約5億ドル(約788億480万円)増えた水準だ。フォードも供給網関連のコスト負担が最大20億ドルに達すると見込んでいる。
ステランティスは固定価格契約により、1〜3月期は原材料価格上昇の影響を回避したものの、中東での紛争が続く場合、今年は約12億ドル(約1,891億5,500万円)の打撃は避けられないとの見方を示した。FTは、これら3社が示した追加費用について、米国の高関税によって予想される60億ドル(約9,457億1,700万円)のコストに匹敵する水準だと指摘した。
自動車業界が最も敏感に反応している品目はアルミニウムだ。ロンドン金属取引所(LME)基準のアルミニウム価格は、戦争勃発以降、約16%急騰した。コンサルティング会社アリックスパートナーズのゲリット・リーフマイヤー氏は、アルミニウム価格の上昇が続き、価格変動への備えがなければ、車1台当たりの生産コストが500〜1500ドル(約7万9,000〜23万6,400円)増える可能性があると分析した。
原油価格の上昇も負担となっている。原油から抽出され、プラスチック生産に使われるナフサの供給不足は、車両の内装材やコーティング剤、ゴムタイヤなど、複数の部品価格を押し上げている。
業界ではDRAM半導体価格の上昇にも懸念が広がっている。メモリー半導体メーカーが、比較的性能の低い車載向け半導体の生産を減らし、人工知能(AI)データセンター向けの高性能チップ生産へと軸足を移しているためだ。
メルセデス・ベンツのハラルト・ヴィルヘルム最高財務責任者(CFO)は先週、「年内の原材料費は、年初の想定を上回って上昇する見通しだ」と述べた。さらに「戦争が長期化した場合、個別の原材料で供給に支障が出る可能性も排除できない」と警告した。
業界では、イラン紛争が6カ月以上続いた場合、各社は車両の値引き幅を縮小するか、値上げに踏み切らざるを得ないとの見方が出ている。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の自動車部門パートナー、アルベルト・バス氏は「最初に価格を引き上げるメーカーは販売減少のリスクを負うことになるが、いずれは価格を上げざるを得なくなる」と述べた。その上で「全社が一斉に引き上げれば、市場シェアを維持できる」と話した。













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