AI・半導体の国際標準化へ、政府が17分野を重点支援

政府が、人工知能(AI)や半導体など先端技術分野で国際標準の主導権確保に乗り出す。技術開発にとどまらず、世界市場で通用するルールや基準を有利に整える狙いがある。
21日の日本経済新聞によると、政府は6月に発表する「統合イノベーション戦略2026」に、こうした内容を盛り込む方針だという。
柱となるのは、AIや半導体など17分野で、61の製品・技術を2030年までに国際標準として広げることだ。対象分野にはAI、半導体、核融合、バイオ、サイバーセキュリティ、量子、航空・宇宙などが含まれる。
政府はこれらの分野を経済安全保障と産業競争力の中核領域と位置付け、研究開発、人材育成、特許の確保、海外展開を一体的な支援対象とした。
今回の戦略は、優れた技術を持つだけでは世界的な競争で優位に立つことが難しいとの判断に基づいている。国際標準をめぐる競争で後れを取れば、技術力があっても海外市場の拡大に限界が生じかねないためだ。
佐藤啓官房副長官は、日本企業が技術力だけでなく、グローバル市場のゲームルール設定でも勝てるようにすることが重要だと述べた。国際規格の制定を単なる産業政策ではなく、経済安全保障戦略として捉える姿勢を示した形となる。
政府はAIや核融合、バイオのように、民生と軍事の両分野で活用され得る技術を「国家戦略技術領域」に指定する計画だ。そのため、年内に重要技術の研究と人材育成を担う「重要技術戦略研究所」(仮称)を発足させる予定としている。

特許情報と市場データを併せて分析する「IPランドスケープ」の手法も導入する方針だ。これにより、特許取得の可能性が高く、成長性も見込める分野を選び出し、国家レベルの研究開発プロジェクトにつなげる考えだ。
今後5年間で官民合わせて180兆円規模の科学技術投資を進める計画も掲げた。国際標準化を急ぐ背景には、米国、中国、欧州連合(EU)など主要国による技術覇権競争がある。AI、半導体、量子、バイオ分野は、産業競争力だけでなく、安全保障やサプライチェーンの安定にも影響を及ぼす。
政府は、アジアやアフリカなどの新興国を中心に、技術標準を広げる方策も検討している。企業が強みを持つ技術が国際規格に反映されれば、海外インフラ事業や産業プロジェクトでも進出機会が広がるとの判断だ。
















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