
孫正義会長が率いるソフトバンクグループ(SBG)が、トヨタ自動車を抜いて、国内全体の時価総額で1位の座に上り詰めた。22年ぶりの1位の交代となる。これは、日本経済の中心軸が、伝統的な製造業から人工知能(AI)を基盤とする未来の産業へと完全に移行したことを告げる、号砲とも受け止められている。
1日の東京証券取引所で、ソフトバンクグループの時価総額は、取引時間中に一時46兆円を突破し、トヨタ自動車を上回った。過去1年間で株価がおよそ4倍に急騰した結果だ。最近、ソフトバンクグループがフランスに最大14兆円規模のAIデータセンターを建設するとの報道が出たことで、投資家の期待感が頂点に達した。
一方、2003年12月にNTTドコモを抜いて1位に上り詰めて以来、ずっとその座を守ってきたトヨタ自動車は、最近、株価の上昇が鈍化し、王座を譲ることになった。わずか1年前の2024年3月までは、両社の時価総額の差は50兆円に上っていたが、AIが株式市場を支配するなかで、その差は瞬く間に逆転した。
市場の専門家は、ソフトバンクグループの躍進を支えた中核的な原動力として、OpenAIとArmを挙げる。ソフトバンクグループが投資しているOpenAIは、企業価値が160兆円に達するとみられており、今後の上場の可能性も取り沙汰されるなか、資産の価値の上昇への期待が高まっている。ソフトバンクグループの傘下にある半導体設計大手のArmは、AIの「推論」の機能や、「エージェント型AI」の普及に伴う高性能なCPUの需要の急増で、これまでにない好況を迎えている。
今回の勢力図の変化は、個別の企業の順位の変化を超え、国内の産業界の全体の流れを象徴するものだとの見方が出ている。メモリー半導体のキオクシアや、半導体製造装置のメーカーである東京エレクトロンなど、AIのバリューチェーンに組み込まれた企業の時価総額が急上昇しており、製造業を中心とした構成から、半導体やデータを中心とした構成へと再編される様相を見せている。
金融投資業界の関係者は「ソフトバンクの逆転は、日本市場がAIを将来の成長の原動力として確実に認めた証しだ」と述べたうえで、「グローバルな市場で影響力を維持するためには、今後、AI分野へのより大胆で先取りした投資が欠かせない」と語った。















コメント0