
ジョー・バイデン前米大統領の息子、ハンター・バイデン氏(56)が、かつては父親の政治的負担と見なされていた立場から、トランプ大統領をけん制する民主党側の注目人物として浮上している。
薬物依存や違法な銃所持をめぐる問題で、これまで父親の「重荷」と見なされてきたハンター氏は、5月からSNS「X(旧Twitter)」で「私のことを知らないだろう」との投稿を開始し、積極的な発信を続けている。
薬物依存に陥った経緯や回復までの過程、背中に刻まれたタトゥーの意味などを赤裸々に語る一方、ドナルド・トランプ大統領を批判する投稿も大きな反響を呼んだ。こうした発信が注目を集め、フォロワー数は80万人近くに達している。
かつてコカイン依存に陥ったハンター氏は、7年間にわたり薬物を断ち続けており、自身の経験を共有する動画を数多く投稿して大きな反響を呼んだ。
特に、「多くの米国人が同意すること」として、「食料品価格は高すぎる」「関税は意味をなさない」「議員や大統領は株式取引を行うべきではない」「国家債務は深刻な問題だ」「国境の安全は確保されるべきだが、合法的な移民は歓迎されるべきだ」「終わりのない戦争は愚かだ」「米国人は疲弊している」などと投稿した。
こうした挑発的な発信は、トランプ政権に批判的な層を中心に共感を呼んだ。

今月初め、ハンター氏はSNSへの投稿で「バイデンでもう一度挑戦しよう」と述べ、2028年大統領選への出馬の可能性を示唆した。これに対し、トランプ氏は「彼の過去はあまり立派なものではない」と述べて批判した。これに反発したハンター氏は、性犯罪者ジェフリー・エプスタイン元被告をめぐる問題を持ち出して反論した。
ハンター氏は、自身の過去に言及したトランプ大統領の発言について、「トランプ氏のこれまでに比べれば、私は重罪の数も、破産の回数も、エプスタインとの付き合いも足りない」と皮肉った。これは、トランプ氏が34件の罪で有罪評決を受けたのに対し、自身の有罪判決は脱税など6件にとどまるとして、トランプ氏を揶揄したものだ。
ハンター氏は13日、「どの民主党員もバイデンなしではホワイトハウスに入れない」と述べ、政界進出への意欲をにじませた。
これに先立ち、民主党の有力な大統領候補の一人と目されるカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のインターネット番組に出演し、「ニューサム氏の副大統領候補としてなら出馬する」とも語った。
ハンター氏は、大統領に就任した場合に最優先で取り組むべき課題として住宅問題を挙げた。「住宅政策や抽象的な理念ではなく、人々が毎月1日に食費や医療費、ガソリン代、子どもの靴代よりも先に支払わなければならない家賃の問題を解決する」と強調した。その上で、住宅所有者による価格カルテルを規制し、企業による住宅購入を制限する考えを示した。
また、機関投資家が保有する居住用不動産に高率の課税を行い、その税収を住宅建設に充てるべきだと提案した。
ハンター氏はバイデン前大統領の次男で、政治的後継者と目されていた兄ボー氏が2015年に脳腫瘍で死去した後、薬物依存がさらに深刻化したことで知られる。













コメント0