
中国が台湾周辺海域への政府船舶の派遣を相次いで行い影響力拡大を図る中、台湾海巡署の巡視船と中国の公務船が海上で対峙する事態となった。
中国自然資源部は18日、同部東海局所属の調査船「向陽紅22」が16日から18日にかけて台湾東部海域で海洋環境調査を実施したと発表した。
同部は、海水中の環境DNAや藻類、クジラ類、海洋化学、水文・気象などのデータを収集したと説明し、「同海域の重要生息地の状況把握や生態系の健全性評価の基盤を整え、生物多様性保全に向けた科学的根拠を提供した」と主張した。
これに対し、台湾は海巡署の巡視船を派遣して対応した。
台湾紙・聯合報によると、台湾海巡署は、「向陽紅22」が中国・浙江省舟山市を10日に出港し、日本の宮古島東方海域を経由した後、12日から15日にかけて台湾・蘭嶼の南東海域で、与那国島南方と台湾東部の排他的経済水域(EEZ)を往来していたと明らかにした。
さらに同船は18日午後8時ごろ、台湾東部・花蓮県の東約41海里(約76キロ)の海域で確認され、同日午後11時35分には宜蘭県沖の制限水域に進入した後、北上したという。
台湾海巡署は巡視船「蘭嶼」と巡視艇「PP-10077」を派遣し、中国船を両側から挟み込むように航行して退去を促した。その結果、「向陽紅22」は19日午前4時20分ごろ制限水域の外へ出たとしている。
海巡署は「中国は最近、台湾東部海域に公務船や調査船を頻繁に派遣している」としたうえで、「継続的な監視や退去要求を通じて、中国が科学調査を名目に管轄権の既成事実化を図ることを阻止する」と強調した。
中国は近年、台湾東部海域を「近海」と位置付け、各種政府船舶の派遣を活発化させている。
東シナ海や南シナ海で中国と対立する日本とフィリピンは先月の首脳会談で、中国の海洋進出をけん制するため、軍事情報共有などを盛り込んだ共同声明を発表した。
共同声明には、両国が排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の海洋境界画定に向けた正式協議を開始することで合意したことも盛り込まれた。
これに対し中国は、対象海域は台湾東方海域に位置し、中国がEEZと大陸棚の権利を有すると主張。日比両国による海洋境界画定交渉は「違法かつ無効」だと反発している。
こうした動きと前後して、中国公務船の活動は一段と活発化している。
中国海警局は1日、台湾東部海域で巡視活動を実施したと発表したほか、中国交通運輸部も今月6日から10日にかけて福建省や広東省当局などと合同で、台湾東部海域において海上交通に関する特別法執行と海底調査を実施した。
また11日には、中国政府船2隻が台湾が実効支配する南シナ海の太平島(イトゥアバ島)周辺海域に進入し、台湾海巡署の船舶が出動する事態となった。
中国と台湾の海上当局による緊張も続いている。
台湾海巡署によると、18日午後には中国海警船4隻が金門周辺の禁止・制限水域に進入し、台湾側は中国船1隻に対し巡視船1隻を配置する「1対1」の体制で監視と警告を行った。その後、中国船は午後5時ごろまでに退去したという。
















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