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「トランプ氏、やっぱり見限られたか」軍事行動制限に“共和党も加勢”…味方からも突き放された大統領

竹内智子 アクセス  

出典:AFP通信
出典:AFP通信

米連邦上院は、米国のドナルド・トランプ大統領による対イラン軍事行動を制限する決議案を可決した。共和党議員4人が賛成に回り、10回目の採決で僅差ながら上院を通過した。

AP通信などによると、上院は23日(現地時間)に本会議を開き、大統領が議会の承認を得ずにイランへの軍事行動を再開できないようにする決議案を、賛成50票、反対48票で可決した。

与党・共和党からは、スーザン・コリンズ上院議員(メイン州)、ビル・キャシディ上院議員(ルイジアナ州)、リサ・マーコウスキー上院議員(アラスカ州)、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)の4人が党の方針に反して賛成票を投じた。4人はいずれも、トランプ大統領と距離を置いていることで知られる。

一方、民主党ではジョン・フェッターマン上院議員(ペンシルベニア州)が反対票を投じた。

今回の採決には、入院のため欠席したミッチ・マコネル上院議員(ケンタッキー州)を含め、共和党議員2人が不在だったことも影響した。

決議案は1973年の戦争権限法に基づくもので、大統領が議会の承認を得ずにイランへの軍事行動を継続したり、拡大したりすることを制限する内容となっている。

2月28日に米国とイスラエルが対イラン軍事作戦を開始して以降、民主党主導の同決議案は9回にわたって否決されたが、10回目の採決で僅差ながら上院を通過した。

決議案の実効性を巡り議論

今回の採決は、共和党から賛成に回る議員が出たことに加え、イランとの交渉が決裂した場合にトランプ大統領が再攻撃へ踏み切ることを抑止する枠組みが設けられたという点で、大きな意味を持つ。

ただ、決議案にどこまで実効性があるのかを巡っては議論が続いている。トランプ大統領はこれまで、米憲法上、宣戦布告の権限が議会にあることを認める一方、行政府の長で軍の最高司令官でもある大統領には、議会の事前承認を得ずにイランを攻撃する権限があると主張してきた。

引用:Daum
引用:Daum

リチャード・ニクソン元大統領は1973年、戦争権限法案に拒否権を行使したが、議会が再可決したため、同法は成立した。その後も歴代大統領の多くは、戦争権限法の趣旨を尊重すると表明する一方、同法によって大統領の憲法上の権限を制限できるとの解釈には同意してこなかった。

戦争権限法は現在も有効だが、同法が大統領の憲法上の権限をどこまで制限できるのかを巡り、議論が続いている。議会側は大統領の軍事行動を制限できると主張する一方、大統領側は、軍の最高司令官として緊急の軍事行動を取ることは、憲法で保障された固有の権限だと反論している。

さらに、既存の法律を根拠として、戦争権限法による制限を回避する可能性もある。

「軍事力行使権限承認(AUMF)」は、2001年の米同時多発テロを受け、議会が特定の対象や目的に対する軍事行動を承認するために採択した決議だ。正式な宣戦布告を行わずに軍事作戦を遂行できるため、大統領の権限を大幅に拡大する仕組みとされている。

トランプ大統領は第1次政権時代の2020年、イラン軍部の中心人物だったガセム・ソレイマニ司令官を殺害した際、AUMFを法的根拠の一つとして示したことがある。このため、今回も議会の承認を経ずに軍事行動を実施する法的根拠として援用する可能性がある。

法的効力が弱くても意味がある理由

それでも今回の可決については、トランプ大統領の対イラン政策に対する懸念が、民主党だけでなく共和党内にも広がっていることを示す点で、意義があるとの見方が出ている。

米民主党のチャック・シューマー上院院内総務は「上院の共和党議員は、米国民ではなくトランプ大統領の側に立った」と述べ、「トランプ大統領による歴史的な失策の代償を米国民が払った」と批判した。

今回の採決で上院内の慎重な姿勢が明らかになったことから、米国防総省が求める800億ドル(約12兆9,300億円)規模の軍事関連予算の確保にも、支障が出る可能性があるとの見方が出ている。一方、トランプ大統領が議会の意向を踏まえて対イラン政策を修正する可能性は低いとの見方もある。

トランプ大統領は自身のSNS「トゥルースソーシャル」で、一部の共和党議員が決議案に賛成したことに不満を示し、「彼らの行動がイランとの交渉を一層困難にしている」と主張した。

さらに、「共和党の敗者4人が民主党と共に投票した」とした上で、「彼らは私の仕事を難しくしたが、私は何としてもやり遂げる。どのようなことでも必ず成し遂げるからだ」と投稿した。

ただ、トランプ政権は戦闘の長期化に伴う負担を考慮し、停戦状態を維持しながら、11月の中間選挙までに最終合意を目指す追加交渉を重視している。

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