Apple、メモリー価格高騰で中国CXMT製半導体の採用を模索

Appleが米国防総省から、中国軍支援企業に指定されている中国最大のDRAMメーカー、長鑫存儲技術(CXMT)からメモリー半導体を調達できるようにドナルド・トランプ米政権に承認を求める働きかけを進めていると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が複数の関係者の話として報じた。
米国防総省はCXMTのほか、中国最大のNANDフラッシュメーカー長江存儲科技(YMTC)、中国最大のファウンドリー企業である中芯国際集成電路製造(SMIC)などを国防権限法(NDAA)1260H条に基づく中国軍支援企業リストに指定している。
FTによると、AppleはDRAM価格の急騰によるコスト負担を抑えるため、最近、ホワイトハウスや商務省などトランプ政権の主要機関に対してCXMT製半導体の調達を認めるよう働きかけているという。
AppleがCXMTなど中国軍支援企業に指定された企業と取引すること自体は法律で禁じられているわけではない。しかし、トランプ政権の了承を得ずに取引を進めた場合、米議会の反発など政治・規制上のリスクに直面する可能性がある。
Appleは2022年、中国向けiPhoneへのYMTC製半導体の採用を計画したものの、強い反発を受けた経緯がある。当時、上院情報特別委員会の共和党筆頭委員だったマルコ・ルビオ氏(現国務長官)はAppleがYMTC製チップの調達を実行すれば、連邦政府による前例のない規模の調査を受けることになると警告していた。
関係者によると、Appleは約1か月前に商務省へ接触した後、政権内の関係者や政界の支持者らへの働きかけを進めているという。トランプ大統領と中国の習近平国家主席による先月の首脳会談以降、この働きかけが本格化したとFTは伝えた。
AppleはCXMTを新たな調達先に加えることで、サムスン電子やSKハイニックス、マイクロンといった既存のDRAM供給各社への依存を和らげられると期待している。
Appleは最近、メモリー価格の上昇が吸収できない水準に達したとしてMacBookとiPadの価格を約20%引き上げた。
複数の関係者はFTに対し、Appleがトランプ政権から承認を得られるかどうかは不透明だと語った。トランプ大統領は昨年、NVIDIAによる最新のH200チップの中国向け販売を認めたものの、政権内では多くの側近が反対していたという。
共和党所属で米下院・中国特別委員会の委員長を務めるジョン・ムレナール氏はFTに対し「Appleが中国軍支援企業との協力を選択するなら重大な過ちになる」と警告した。
ハドソン安全保障研究員のマイケル・ソボリック氏は「トランプ政権が中国への重要鉱物依存の脱却を目指す一方で、AIと同じくらい重要な分野で新たな対中依存を認めるのは理にかなっていない」と指摘した。
一方、AppleはFTのコメント要請を拒否し、ホワイトハウスもコメント要請に応じなかった。













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