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イラン戦争が火をつけたインフレ、9月利上げ観測が浮上 共和党が恐れる選挙前の悪循環

望月博樹 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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イラン戦争が物価を押し上げ、11月の中間選挙を戦わなければならないトランプ政権と共和党の重荷となっている。ウォール街では、金融政策を担う中央銀行である米連邦準備制度(FRB)が、早ければ9月にも政策金利の引き上げに踏み切るとの見方が出ている。選挙戦が本格化している時期だけに、与党にとって悪材料となる可能性がある。

懸念されるコアPCEの水準

米商務省は25日、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数を発表した。PCEはFRBが物価水準を判断する際に最も注視する指標で、そのうち変動の大きいエネルギーと食品を除いた「コアPCE」は重要指標とされる。この日の発表によると、5月のコアPCEは前年同月比で3.4%上昇し、2023年10月(3.5%)以来の高水準となったという。専門家予想に沿った水準ではあったが、依然として高い水準であることは明らかだ。米インフレ調査会社「インフレーション・インサイト」の創業者、オマール・シャリフ氏は、顧客向けのメモで「FRB当局者にとって安心できる内容の報告ではない」と評価した。

米国の経済専門家らは、5月の総合物価(PCE全体の上昇率)はピークだった可能性があるとみている。両国の終戦合意を受け、国際原油価格が戦争前の水準まで急落したためだ。問題はコアPCEだ。原油価格の下落が直ちにコア物価の低下につながるわけではない。ニューヨーク・タイムズは、「イランとの戦争は単にエネルギー価格を押し上げただけではなかった」とし、「米国のインフレ問題全体をさらに悪化させた」と指摘した。

物価上昇の背景には複数の要因がある。AI投資ブームによって幅広い分野で需要が急増し、インフレ圧力が生じている。例えば、Appleは25日、需要急増によるメモリー供給難の影響で、MacBookやiPadなど一部製品の価格を最大25%引き上げた。トランプ政権による移民取り締まりと世界的な関税も、物価を押し上げる一因となった。CNBCは、「FRBはエネルギー急騰が主導した一時的な衝撃を見過ごそうとしているが、物価上昇がより広範囲に及び、関税の影響も受けているとの懸念が高まっている」と指摘し、「インフレ状況は複雑化した」と伝えた。

FRB、選挙を前に利上げへ動くのか

トランプ大統領が任命したケビン・ウォーシュ新議長は17日に開いた初の記者会見で、「必ず物価を安定させる」と述べた。FRB内部でも、年内の利上げ観測が強まっている。市場予測モデルであるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の「フェドウォッチ」では、「FRBが9月に利上げを実施する」との予想が60.6%となり、金利据え置きの予想を上回った。さらに、バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、FRBが今年3回にわたり、合計0.75%ポイントの利上げを実施すると予測している。

トランプ政権と共和党は、こうした状況を懸念している。9月は11月の中間選挙を前に、選挙運動が真っただ中を迎える時期だ。FRBが金融引き締めに動けば、2024年に「インフレを解決する」との公約を掲げて当選したトランプ政権に打撃となることが予想される。利上げが現実となれば、住宅ローンや企業向け融資の金利が上昇し、家計や企業の利払い負担が大きくなる。ポリティコは、「トランプ氏が求めてきた大幅な利下げを認められるほど急速にインフレが低下する可能性は低い」とし、「戦争があらゆる変化をもたらした」と評価した。

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