
米国は自ら世界的覇権を放棄しつつあるが、中国にはその役割を引き継ぐ意思も能力もないとの見解を、中国の外交政策専門家が示した。
清華大学国際戦略・安全保障研究センターの達巍主任は、中国は世界支配を追求しているのではなく、主権平等と多国間主義に基づく代替的な道を模索していると述べた。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が20日に報じたところによると、達主任は17日に北京の中国人民大学で開かれたセミナーで、「米国の世界的な制度的覇権は終焉を迎えつつある」としたうえで、「この衰退は元に戻すのが難しいだろう」と語った。
達主任は、「自由主義という米国覇権の基盤を世界が見直し、ナショナリズムとリアリズムへ向かいつつある中で、かつての米国覇権の時代に戻ることは難しい」と指摘した。
1990年代以降、世界は米国を中心とする自由主義的多国間秩序の中で動いてきた。
しかしトランプ大統領の第1次政権以降、米国はこうした国際的な枠組みを維持する意思がないとのシグナルを発し続けてきたと、達主任は分析した。
ただし「ポスト・米国時代」が到来したわけではなく、米国の影響力が弱まったというよりも、リーダーシップの行使の仕方が制度重視から強圧・取引優先へ転換したのだと同氏は説明した。
また、次の大統領が自由主義の復活を試みたとしても、ここ数年で道義的・国際的な威信が大きく損なわれており、世界的覇権を再建することはできないだろうと述べた。
一方で、米国の覇権が終わっても中国が代わって世界の主導国となるわけではないと、達主任は否定した。
中国には米国の世界的な支配的地位に取って代わる意思も能力もないという。
また中国は本質的に普遍主義的な大国ではなく、西側諸国のように他国に自国を手本として受け入れさせ、変化を促す意図もないと述べた。
中国は依然として発展途上国であり、今後も内需成長に向けた長い道のりが残されているとも語った。
さらに、中国の国際的影響力の拡大は主権平等を基盤とし、開発協力によって推進されるものであり、同盟ではなくパートナーシップのネットワークに根ざしていると強調した。













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