
中国の月探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取したサンプルが、外国の科学者に初めてロシアへ提供され、研究が行われることになった。
香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は9日(現地時間)、中国が月で収集した土壌1.5gが3日(現地時間)、ロシア宇宙科学研究所の惑星物理学部門へ引き渡されたと報じた。
研究所は「土壌サンプルの移送は、ロシアと中国間の宇宙科学および月探査分野における協力推進の一環として行われた」と説明した。
また、研究所は「月の土壌を構成する鉱物の一部として保存されている可能性のある揮発性化合物の特定に注目を集めるとみられる」との見方を示し、「月の歴史を理解し、将来、月面に自立可能な居住拠点を建設しようとする取り組みに役立つ可能性がある」と述べた。
嫦娥6号の帰還カプセルは、2024年6月25日に月の裏側で採取した初の岩石・土壌サンプルを搭載して地球に帰還した。
当時のサンプル重量は約2kgで、中国は世界中の科学者がアクセス権を申請できると表明していた。
米国をはじめとする多くの国の科学者がサンプルへのアクセスを申請すると予想されるが、国際的なアクセスを許可するかどうかについて中国はまだ公式発表を行っていないと、SCMPは伝えた。
中国国営の新華社によると、中国はこれまでに嫦娥5号のミッションで採取したサンプルをロシア、英国、フランス、ドイツ、日本、パキスタン、米国の科学者に提供している。
嫦娥6号の帰還後、当時のNASA長官ビル・ネルソン氏はCNNとのインタビューで、中国がサンプルを共有する意向があるとの知らせを聞いて「うれしく思う」と述べた。
ネルソン前長官は、米国が50年前のアポロ月面着陸で収集したサンプルを公開したように、中国もサンプルを公開すべきであり、米国は今後のミッションでも同様にする方針だと語った。
中国国家航天局の卞志剛副局長は、嫦娥6号の帰還後、米国が中国との宇宙分野でのサンプル交換を本当に望むのであれば、宇宙協力を制限している障壁を取り除く必要があると述べた。
NASAが政府資金を使い中国と直接的な宇宙協力を行う際に議会の明示的な承認を義務付けた、2011年制定のウルフ修正条項を念頭に置いた発言とみられる。
ロシア宇宙科学研究所は、月の裏側の地質構造が地球に面した表側とは構造が異なることは以前から知られているが、これまで遠隔探査のみにとどまっていたと説明した。このため、今回の土壌サンプルの分析は月の進化の過程を理解する上で極めて重要だとしている。
中国とロシアは月の南極に恒久的な研究基地を建設する計画を進めており、昨年にはロシアの科学者らが基地用発電施設の開発契約を締結した。
ロシアの搭載機器は今後、中国の月探査ミッションにも活用される予定で、嫦娥7号への搭載が見込まれているダスト観測装置もその一つだ。
嫦娥7号のミッションは月の南極で氷として存在する水や、月面研究基地の建設に役立つその他の資源の探索を目指している。
研究所はまた、ロシア製の観測機器2点が嫦娥8号に搭載される予定であるとも明らかにした。嫦娥8号は2028年または2029年に月の南極へ向かう見通しだ。













コメント0