
国内の「住みたい街」調査で常に上位に挙がる都市が、東京近郊の横浜だ。海沿いの散歩道、赤レンガ倉庫、みなとみらいの幻想的な夜景。東京よりもやや余裕があり洗練された都市というイメージが長年定着してきた場所である。
しかし最近、横浜をめぐる評価に変化の兆しが見える。日本経済新聞によると、2025年の国勢調査速報値で横浜市の人口は375万4,840人となり、5年前より2万2,651人減少したという。横浜市の人口が減少したのは1947年以来、78年ぶりである。
詳しく見ると、横浜駅やみなとみらいがある中心部では人口が増加した一方、郊外地域では減少が目立った。同じ横浜市内でも「発展する地域」と「衰退する地域」が分かれつつある。
背景の一つに、住宅価格の高さがある。横浜郊外の代表的な住宅地である青葉区の平均住宅価格は約5,630万円、隣接する東京の町田市は約4,490万円程度だ。その差は1,000万円以上に及ぶ。
両地域とも都心へのアクセスは大差ない。電車で約1時間前後で、生活環境も大きく変わらない。しかし、住宅購入を検討する30~40代にとっては、事情が異なる。通勤時間もさほど変わらないのに、わざわざ1,000万円も高い物件を選ぶ必要があるのか、という声も出ている。
かつて横浜は、憧れの居住地として広く認識されていた。しかし最近では、雰囲気よりも現実的な計算が優先される傾向にある。町田など東京郊外地域の開発も進み、横浜がかつてのような圧倒的優位性を持つ時代ではなくなったとの見方もある。
子育て支援策の差も影響しているとみられる。東京都は18歳以下の子供に月5,000円を支給し、幼児保育支援も強化している。横浜市も6月から18歳までの医療費無償化、おむつの定額サービス導入など支援拡大に乗り出す方針だ。
横浜郊外は1960~80年代の大規模住宅開発で発展した、代表的なベッドタウンである。当時入居した世代は今や70~80代となり、子供たちは独立した。一方、新たに流入する若い世帯は減少しており、都市の高齢化が進んでいる。
かつて最も若かった都市も、時間の経過とともに最も急速に高齢化しうる。都市は、作られることよりも選ばれ続けることの方が難しいのかもしれない。













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